増加を続ける脳の病気「認知症」
◆最もリスクが高いのはAB型
認知症高齢者は、2012年では462万人と、65歳以上の7人に1人だったが、2025年には約730万人、5人に1人に増えると推計されている。
アメリカのバーモント大学が、血液型遺伝子と認知障害との関連を調査。1万7630人を平均3・4年、追跡調査し、認知障害を発症した495人と、発症しなかった587人を対象に研究を行い、AB型はO型に比べて、1.82倍も認知障害のリスクが高いと、2014年に発表した。
「新しいことに挑戦する、趣味を楽しむなどして脳に刺激を与えることが予防策になります。また、バランスの良い食事でタンパク質やビタミン類をしっかりとり、脳に必要なDHAやEPAが豊富な青魚を意識して食べましょう」
また、身体を動かすことも脳の刺激に。
「握力が弱く歩くのが遅い人は、アルツハイマー病になりやすいという報告もあります。週3日以上を目標に、無理のない定期的な運動を習慣にして、筋力や心肺機能を維持しましょう」
患者数が50年で35倍「糖尿病」
◆女性対象の研究でB型と判明
この50年間で、糖尿病の患者数は約35倍と急増。2016年時点の患者数と予備軍は、それぞれ1000万人と推計されている。(「2型糖尿病の分子機構と治療戦略」(門脇孝/日本内科学会雑誌/2011年100巻9号/P2437―2446))
2014年にフランス国立衛生医学研究所が発表した論文では、2型糖尿病のリスクと血液型の関連を報告。約8万2000人の女性を対象に、1990~2008年の期間を追跡調査した大規模な研究によると、最もリスクが低いO型と比較してB型は、1.21倍、A型は1.10倍、それぞれ糖尿病のリスクが高いことがわかっている。
「内臓脂肪過多や筋肉量の減少は、血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなります。閉経期の女性は、女性ホルモンの減少により筋肉が落ちて脂肪がつきやすくなるため、血糖値が上がりやすく、糖尿病のリスクが高くなります。カロリーのとりすぎやお酒、清涼飲料の飲みすぎに気をつけて、運動習慣を身に付けるなど、健康的な生活習慣を意識しましょう」