加齢とともに増加する「高血圧」
◆B型がトップ、低リスクはO型
男女共に年齢を重ねるとなりやすい傾向がある高血圧。
2015年にエジプトのヘルワン大学が発表した論文では、3つの生活習慣病と血液型との関連について報告。この研究では、それぞれの患者とその対象群、合わせて800人に対して調査が行われた。本態性(原因がはっきりしない)高血圧の患者166人と対象群174人の健常者への調査の結果、血液型別の高血圧の発症リスクは、B型が48・5%と最も高く、続いてA型が30%、AB型が13・8%、O型が最も低く7・2%という数値が報告されている。
「女性では、閉経をきっかけに女性ホルモンの減少を原因とした高血圧になるケースが多いです。高血圧自体は病気ではありませんが、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞など、さまざまな病気の原因となります」
予防のためにまず意識したいのは塩分摂取量。
「塩分摂取は1日6g未満に抑えましょう。また、睡眠不足も高血圧の原因に。7時間を目安に、質のいい睡眠を心がけて」
Q、血液型診断の性格でもかかりやすい病気がある?
A、A型は几帳面だからストレスをためやすくがんにかかりやすい…etc.はウソ!!
「そもそも血液型別の性格診断に科学的根拠はありません。体質の違いが何らかの影響を及ぼすとしても、血液型の分類は30種類以上ありますから、ABOだけで分類すること自体が、非常に不完全なものなのです。ですから血液型占いの性格特性と病気を結びつける研究自体ありません」
性格診断は楽しいけれど、病気と結びつけて意識しすぎるのは逆効果。「血液型にかかわらず、正しい知識を持って病気予防のアクションを始めましょう」
がんと生活習慣病にかかりやすいA型
最もがんにかかりやすい血液型とされるA型は、特にがん検診を積極的に受けることが大切。また、更年期以降の女性に多い脂質異常症など、生活習慣にも注意が必要。
□ 胃がん
□ 唾液腺がん
□ 前立腺がん(術後再発率)
□ 肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
□ ノロウイルス
□ 細菌性髄膜炎
□ 貧血
□ 脂質異常症
消化器系の病気に弱いO型
胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、消化器系の病気にかかりやすいO型。逆に、O型は血液が固まりにくい体質のため、心臓病や脳梗塞などの血管系の病気リスクは低い。
□ 皮膚がん
□ 悪性リンパ腫
□ 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
□ コレラ
□ O157大腸菌
□ ピロリ菌
□ 細菌性髄膜炎
□ 貧血
肺疾患など病気の数が多いB型
特に注意すべきは早期発見が難しいとされる膵臓がん。日頃から禁煙と適正体重の維持を。この他にもマラリア、淋病、高血圧など、B型はかかりやすい病気の数が最多。
□ 膵臓がん
□ 卵巣がん
□ 悪性リンパ腫
□ 肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
□ 脳梗塞
□ 肺炎
□ 結核
□ 糖尿病(2型)
重篤になる可能性が高いのが懸念AB型
心臓病や脳梗塞、認知障害など、発症すると後遺症や生活の質が著しく低下する病気ばかり。健康的な生活習慣で発症リスクを抑えよう。感染症予防にも十分な気配りを。
□ 卵巣がん
□ 悪性リンパ腫
□ 肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
□ 心臓病
□ 脳梗塞
□ 認知障害
□ デング熱
□ インフルエンザ
(取材・文/當間優子)