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ー 少年のために動き出したヤクルトファン

 5月2日に行われたプロ野球「巨人VSヤクルト戦」で、ヤクルトの山田哲人選手が今季3号目となるホームランを打った。不調気味だった山田選手からの久々の快音ということもあり、喜ばしいニュースのはずが、憤るファンが続出している。その理由は……。

「6回表、山田選手が打ったボールがレフトスタンドに。ホームランボールをキャッチした小学生くらいの男の子から、近くにいた男性が奪い取ったかのように見えるシーンが中継されました。この様子がSNSで瞬く間に拡散され、強奪した男性に向けて“返せ”“ヤクルトファン辞めろ”といったツイートが溢れかえっています」
(スポーツ誌記者、以下同)

少年のために動き出したヤクルトファン

 その後、本人らしき男性が

《なんか山田哲人のホームランボール捕らさせていただきました》(原文ママ)

 というコメントと共にボールの写真をアップしたことで、騒動は加速した。

「横取りしたとされているヤクルトファンの男性は、名前だけではなく、住所や職場まで特定され、SNSや掲示板で晒される事態となっています」

 この騒動を受けて、男性らしきSNSのアカウントは既に削除されていた。それでも批判は収まらないが、一方で、ボールを奪われた少年のために一致団結するヤクルトファンも現れている。

「ヤクルトファンたちによる《swallowsへ届け》《少年へ届け》というハッシュタグの投稿が増えています。“この男の子がヤクルトや野球を嫌いにならないように何かしてあげてほしい”“良い思い出に変えてあげられるようなプレゼントや企画を”と球団に訴える声が多くあがっています。

 それだけにとどまらず“連絡をくれれば、俺が昔取ったホームランボールでよければ喜んで譲ります”“山田ボールあげる!”と自分たちで直接少年を助けようとするファンも出てきました」

 泥沼のホームランボ―ル強奪騒動から一転、ヤクルトファン同士の温かな交流が垣間見えた。

「今回の騒動について、男性が横取りしたかどうか、真偽のほどは定かではありません。ただ、男性を誹謗中傷するだけではなく、少年のために動き出すファンの姿に“ヤクルトファン、さすが!”の声が上がっていることは事実です」

 ヤクルトファンの熱き想いは、少年や球団に届くか。