容疑者の母親を直撃すると…
自宅を訪ねると、玄関先で母親が取材に応じた。逮捕されるまで「事件については何も知らなかった」と話し、少し疲れている様子だった。
「本人は反省していますし、後悔しています。プロゴルファーを続けるかどうかは、今まさに話し合っている最中です 。被害者のこともありますので簡単には決められません。本当に申し訳ございませんでした」(保田容疑者の母親)
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16年前、石川遼選手と3つどもえのプレーオフ直前。真夏日は夕暮れを迎え、涼しい秋風がコースに吹き渡った。
石川選手目当ての報道陣が逆転バーディーなるかと注視する中、保田容疑者ら同学年ライバルたちは揃って「遼が入れないと楽しくないぞ!」と主役不在のプレーオフはご免とばかりに石川選手にハッパをかけた。
熱闘を制した石川選手は、
「同級生とレベルの高い試合ができて楽しかった。ギャラリーにもいい勝負を見せられた。100点満点ではないけど、勝てて自分にいい誕生日プレゼントができました」
とやり切った表情をみせたという。
力負けした保田容疑者はその約2週間後が誕生日。バースデーケーキはともかくとして、勝者と敗者で明暗を分ける厳しさを実感したはずだった。
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ゴルフは審判員がいないことなどから紳士のスポーツと言われる。バレなければいい、との考え方とは相入れない。
事実と真摯に向き合い、受けるべき罰は受け、今度こそよそ見をせずゴルフに熱中することを周囲は期待する。前出の知人男性は「まだ若いんだから」とつぶやいた。