《豊かな文化と技術を持つ日本のイメージに相応しいお土産》《実用性も高くて贈る相手も考えられている》
5月19日から21日まで開催されたG7広島サミット。その際のG7首脳への贈呈品について、ネットでは冒頭のように好意的な声が上がった。
岸田内閣総理大臣からG7首脳へ贈られたのは、広島・呉市にある老舗メーカーのセーラー万年筆、そして広島市の漆芸作家・七代金城一国斎さんが手がけた蒔絵グラスのワイングラスセット。グラスの台座には広島のシンボルである紅葉と錦鯉の蒔絵が施されている。
岸田裕子内閣総理大臣夫人からG7首脳配偶者に贈られたのは漆芸家の高山尚也さんによる広島漆芸のお椀セット『曙』。そして、メガネのように耳にかけて使うカブキグラス。こちらはG7効果で一時売り切れとなった。
最高額のお土産に『伝統漆芸 彩雅 万年筆』が選ばれた理由
これらお土産の値段を確認したところ、セーラー万年筆は1本18万7000円(税込み・希望小売価格)。蒔絵グラスのワイングラスセット4万4000円(税込み)、カブキグラス3万3000円(税込み)、広島漆芸のお椀セット「曙」10万1000円(税込み)。お土産の総額は36万5000円。
最も高額だったセーラー万年筆は、アメリカの万年筆専門誌『PEN World』誌の読者投票では、世界で最も書き心地の良い万年筆と評された逸品。2008年に開かれた北海道洞爺湖サミットでも贈呈品となっており、2度目の選出という快挙を果たしている。セーラー万年筆の広報に聞くと、
「各国首脳への贈呈品として選んでいただいたことを大変光栄に思っております。またセーラーの万年筆がG7首脳の方々にお使いいただくのに相応しい、世界的にも高い品質と、優れた書き心地であると評価いただきましたことに感謝申し上げます」
と、喜びを示した。長く使うことができ、環境に配慮した持続可能性の高い製品であることも万年筆が選ばれた理由だと報道されている。
『伝統漆芸 彩雅 万年筆』。彩雅シリーズには何色か種類があるが、皆、同じ色だったのだろうか。
「各国お好みの色を選択されたようです。米国、英国、カナダ、EU欧州理事会議長、EU欧州委員会委員長は深藍。フランス、ドイツは蘇芳(黒みを帯びた赤)。イタリアは淡香(オレンジがかった白)を選ばれました」(セーラー万年筆広報、以下同)
贈られた21金のペン先には各首脳のファーストネーム、またはイニシャルが施されているという。
ただ、セーラー万年筆には『截金万年筆』というさらに高額なラインがあり、この製品も提案していた。なぜ先述の彩雅が選ばれたのだろう。
「外務省のほうで選ばれたので選定理由はわかりませんが、セーラーが誇る超大型21金ペン先と色漆を何度も塗り、磨き上げた石目塗が評価されたのではないかと考えます」
一部の限定品を除けば、ネットなどで購入可能。値段はさておき、各国首脳とおそろいの品を持つのも悪くない!?