5月30日、東京・渋谷のライブハウスは熱気に包まれていた。その中心にいるのは『THE 2』というバンドでボーカルを務める古舘佑太郎。何を隠そう、彼はフリーアナウンサーの古舘伊知郎の息子だ。
「慶應義塾に幼稚舎から大学まで通った佑太郎くんは、現在32歳。高校時代にバンドを結成し、2014年には野村周平さんが主演を務めた映画『日々ロック』で劇中歌を手掛けました。同作では、佑太郎くん自身も俳優としてデビューを飾っています」(レコード会社関係者)
2017年に放送された連続テレビ小説『ひよっこ』では、ヒロイン・有村架純の幼なじみ役を演じるなど、俳優とミュージシャンの二刀流で活動に励んでいる。
しかし、偉大なる父を持つ“2世”ならではのコンプレックスもあるようだ。2019年に『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した際には、
「朝ドラに出た時も大抵コネって言われるんですよ」
「僕の父親が息子をメジャーデビューさせたり、映画に出させるくらいの力を持っていると、(世間は)本気で信じているのかな」
などと、複雑な胸中を明かしていた。
芸能界へ飛び込んだ息子に対し、悶々とした思いを抱いていたのは、父の伊知郎も同じだった。2022年12月に出演した『5時に夢中!』(TOKYO MX)では、息子との関係性についてこう語っている。
反対しないけど、何も応援しない
「この世界に世襲制なんてあるわけないし、コネクションでなんとかってちっともいいことじゃないと思ったから。これだけはぶれずに、全く反対しないけど、全く何にも応援しないです。それは貫いてますよ」
親子の心の距離はなかなか埋まらないとされていたが、
「5月30日のライブには、古舘アナも来ていたみたいです。古くん(編集部注:佑太郎の愛称)は、自身が作詞した楽曲『ルシファー』を披露していたのですが、その歌詞には《親のこと裏切ってしまいたい》という歌詞があって。長年抱いてきた思いを、お父さんが直接聞いているというのは、感極まるものがありましたね」(『THE 2』ファンの女性)
冒頭のライブが終わった後、佑太郎はSNSに父との“ツーショット”を掲載。そこには、父に対するこんなメッセージが綴られていた。
《父が人生初めてライブに来てくれたので、古舘、32歳にして反抗期終了のお知らせです。愚息より》
止まっていた親子の時計が、ようやく動き出した――。