「被告ともう連絡をとらなくなっていた時期に、突然Bから《りのが会いに来たら、どうする?》というメールがきたんです。それで《会いにくる勇気はないでしょう》と返したら、Bが私に内緒でそのやりとりを被告にそのまま転送していた」
Bが被告を煽っていたということになる。なぜなのか?
「面白がってやったんだと思います。でも被告はある意味、純粋で……彼らのせいで、私への恨みを増幅させてしまったんだと思います」
Aさんと被告は2月中旬以降、一度も連絡をとっていなかった。そうして、事件当日を迎える。
「5月4日は知らない女性から“平塚駅で会ってもらえないか?”と写真つきのDMが届いたので、疑いつつも約束をしてしまった」
待ち合わせに現れたのは…りの被告だった!
待ち合わせた場所だった南口の階段を降りたところで待っていると、そこに現れたのは“りの被告”だった。
「驚きました……。別の女になりしまして私にアプローチしていたんです。彼女はいきなり“私の大切なB夫妻とCをバカにしやがって!”と言いながら両手でナイフを持って刺してきた。とっさに身体をよじりながら手で払ったが、腹部に刺さった。そして、ふた刺しめのときには、被告が“B夫妻に言われてきた。死ね!”と叫ぶのが聞こえた」
ふた刺しめも再び腹部に刺さった。直後、りの被告は周囲に聞こえるように、“私は通り魔です”と叫んで偽装していたという。
「母親から“こんな違法なことをしている危ない人たちとつきあうから、こんな目に遭うのよ”と叱られています」
Aさんはバツが悪そうに弱々しく笑っていた。
りの被告は5月25日に起訴され、およそ1年後に裁判が始まる。彼女の口からは、どんな事件の真相が語られるのだろうか。