一般人となった元ジャニーズを気づかった発言だと思う方もいるのでしょうが、私は櫻井氏が“自分が被害者だと思われること”に我慢ならない、自分のイメージの下落を心配しているように感じられたのでした。仮にそうだとしても、彼がそう思うのは当然です。だって、彼はタレントなのですから。自分の好感度を上げるための振る舞いができないようでは、タレントとして失格でしょう。特に嵐のような国民的アイドルは、どこから見ても隙がなく、常にキラキラしている必要がありますから、そのイメージを覆しかねない火の粉は、全力で振り払いたいのだと思います。

 ですが、キャスターはそれではいけないと思うのです。報道の場に必要なのは、公正性、中立性、客観性ですから、自分にとって都合の悪さを見せないことが仕事のアイドルとは全く違う職業と言えるでしょう。

自分のイメージを損なう話題は扱いたくない

 櫻井氏に限らず、イメージ商売のタレントが報道に進出すると、自分のイメージを損なうような話題は扱いたくないと思うでしょうし、番組もタレントに気を使って「この話題はスルーしよう」と最初から切り捨ててしまうこともあるでしょう。人気タレントであればあるほど、CM出演をしている確率があがりますが、その企業の不祥事をはたしてタレントキャスターは追いかけられるでしょうか。そんなつもりはなくても、タレントを報道番組に出すことは、タレントやその所属事務所、CMのスポンサーにヤバい権力を与えてしまうことになるでしょう。