13歳からの2年間はA子さんもまだ幼く星野被告に洗脳されていたものだったという。

「頼れる人がいなかったから、(星野被告は)親代わりという認識でした。15歳のころからはいろいろ(性的なことも)理解できるようになり(被告に)嫌悪感を抱くようになりました。支配されているという認識があった」

 しかし気づいたときにはもう遅かった。A子さんは住まいから仕事まで、すべて星野被告の管理下にあったのである。

「嫌だと思っても演じないと生活ができなかった。この関係をやめたいと言えばグループにいられなくなる」

 と当時の苦しい思いを吐露した。'22年にグループ脱退を申し出たA子さんは、警察に被害届を出し、その生活を自ら終わりにした。グループのセンターの立場を捨ててでも逃げ出したかったのだろう。

相反する被告の主張

 一方、星野被告はA子さんと肉体関係にあったことは認めつつも立場を利用したことは否認している。

「プロデューサーの立場を利用したことはありません。A子さんは私生活に問題があり、事務所がある同じマンションに引っ越しをさせた。A子さんには月に5万円を与え、家賃も全額負担し精神面をサポートし、親密さがエスカレートして性行為に及んだ」

 と、初公判で述べ、恋愛関係にあったと主張している。

「仮に恋愛関係が成立したとしても当時32歳の男性が13歳の女の子を性的な対象として見ることは健全ではない。執行猶予を狙っているようですが、A子さん側に問題があったと言わんばかりの供述に裁判長も呆れた様子で聞いていました」(前出・司法記者)

 中学のころから自傷行為を繰り返していたA子さんの腕は傷だらけだ。少女の心の叫びに星野被告が気づいていなかったはずがない。