王道アイドル”のカウンター的な存在となったBiSH
想いのこもった楽曲を過激なパフォーマンスにのせて表現することで、“王道アイドル”のカウンター的な存在となったBiSH。特に注目するべきは、ロックバンドメンバーなどにもファンが多いという、ライブパフォーマンスだ。
「ツアーをぶっ通しで行い、1年に何十公演もこなすほど、ライブは彼女たちの命。BiSHのライブは、いい意味で“暑苦しい”ので、ファンとメンバーが全員で“ウォー!”と一体感が出て盛り上がれるのが魅力です。パンク、ロック、アイドル、どんなジャンルでもくくれない、BiSHという新しいジャンルを生み出して、間違いなく音楽界に刺激を与えてくれたアーティストとなりました。“地下アイドル”たちも、彼女たちの活躍に勇気づけられているのではないでしょうか」
音楽界に影響を与えるほど人気となった彼女たちの解散は、実は、大人たちが描いた“美しすぎる”ストーリーが理由だった。BiSHのプロデューサー・渡辺淳之介氏は、“一番輝いているときに解散する”という美学を持っており、彼女たちの前身グループBiSも同じようなタイミングで解散している。
BiSHメンバーは、過去のインタビューなどで、渡辺氏から解散の決定を聞かされた際の気持ちとして“ショックで泣きました”といった正直な気持ちを吐露することも。また、初めは納得できなかったと前置きしたうえで、“BiSHは普通のグループではないし、何が正解で不正解かということがないグループ。渡辺さんの気持ちを感じながらBiSHとしての気持ちを表明しました”と語った。
This is BiSH
それでも、プロデューサーの想いを受け入れ、“これがBiSHだ”と、最後まで自分たちのBiSHを体現。解散を発表した2021年から“BiSHからの4つの約束”として、12か月連続リリースや、ベストアルバムの収益を寄付した全国ライブハウスツアーなどを行い、ラストライブまで全力で駆け抜けてきた。
この“有終の美”について、宮本氏は“BiSHらしい”とも語る。
「こんなに人気があるのに、辞めてしまうというのは潔くて、カッコいい。限られた時間の中で、爆発させることができたと思います。グループは解散になりますが、彼女たちは既にソロとしても個々の魅力を発揮しています。ファンの方は寂しいかもしれませんが、これからはそれぞれの活動を見られるという意味で“楽しみが6倍になる”と考えてもいい。これからの活躍も楽しみにしていきたいです」
6月29日の解散公演まで、あまり日はないけれど、今からBiSHを楽しみたい人はどうしたらいいのか。
「やっぱり、まずは曲を聴いてほしいですね。オススメは、彼女たちの熱量が存分に感じられる、『オーケストラ』や『プロミスザスター』。ラストシングル『Bye-Bye Show』も、週刊女性の読者の方たちにぜひオススメしたいです。収録曲は、THE YELLOW MONKEYが演奏に参加しているので、BiSHを知らない方でも、意外なコラボが楽しめるんじゃないかなと思っています」
波乱万丈なグループ人生だったけど、最後までBiSHを応援したい。“清掃員”の心から、BiSHへの想いが消えることはない。