レジェンドであるほど胸を借りたくなる

 俳優としての大先輩である織田とはどんな言葉を交わしたのだろうか。

「共演初日に喫茶店のシーンを撮ったんですが、早速、織田さんと意見を交わした思い出があります。“もう少し視線をこっちに向けたほうが、いまの栗橋くんのセリフが伝わるんじゃない”と織田さんからいただいたアドバイスに“この芝居の前にこっちに目線を配っているので、織田さんのおっしゃるほうを見るのはちょっと難しいかもしれないです”と。僕、相手がレジェンドであればあるほど、自分の考えをぶつけたくなるんですよね。胸を借りて試してみたいというか」

 これまで同年代の俳優たちとの共演が多かったが、ここ最近は先輩との共演が増えてきたという。

「(10月公開の主演映画『おまえの罪を自白しろ』で共演の)堤真一さんや、映画『ラーゲリより愛を込めて』で共演したニノ(二宮和也)をはじめとする俳優たち。レジェンド、ベテランの方々と一緒に芝居をすると、デビュー前のJr.のころによく抱いていた“どうやってこの人たちに食い込んでいくか”という闘争本能みたいなものを思い出すんです。それは、今回のドラマでも感じました。自分の考えを伝えたときに、織田さんから“若いのかもね”と言われてしまったこともありますが、若いと言ってもらえるうちが華だと思うので甘えようと思っています」

 今回、中島が演じる栗橋は黒縁メガネにベスト、アームカバーをした超まじめな事務員。「僕だと気づかない方も多いんじゃないかな。いい感じでハマっていると思う」そう語るほど、ドラマに溶け込んでいる。“セクシーサンキュー”のキメゼリフがある“ケンティー”をイメージするセクシーを封印している。

「これ、本当に伝えたいんですが、僕、連続ドラマでセクシーな役をやったことないですから。なんか、みなさん誤解されているようですが、映画でもそんなにないと思います。多くの方に伝えたい! むしろド・セクシーな役をやらせてほしい!! 誰にも負けねぇぞって気持ちがあります。だから、ぜひ、お話をいただきたいです」

共演“犬”もたくさん出てくるドラマ。最近の愛犬エピソードを!

 僕、愛犬(トイプードルのボニータ)をプールとかスパに通わせているんです。 車で連れていくときに助手席に乗せるんですが、施設に近づくと「くぅ~ん」って鳴きだすんですよ。めちゃくちゃ甘えた声で。外の景色を見ているわけじゃないのに、楽しみな場所にもう少しで着くことがわかるみたいで興奮しだすんです。空間把握までできるようになって、ますます人間に近づいているなと思っています。

20代最後の夏。シッコウ(執行)したいことは?

 バーベキューかな。あまりしたことがないんですが、「行こうよ!」と誘ってくれる俳優仲間がいて。赤楚衛二っていうんですけど。照りつく太陽の下、川のせせらぎを聞きながら肉を食べる。そんな時間を過ごしてみたいです。振り返れば、20代の夏は毎年ライブか、映画やドラマの撮影があって。海に行って日焼けするなんてこともできなかったから。この夏、僕が日に焼けていたら、バーベキューに行ったんだなと思ってください(笑)。