「事務所を移転しようと思って、容疑者に賃貸物件を探してほしいと依頼しました。条件が合ったので、大津市市内の物件を容疑者とともに内見しました」(Aさん、以下同)
物件を気に入ったAさんはすぐに契約を済ませ、事務所を移転したのだが、
「電話回線がなかったんです。これは私が最初に提示した条件を満たしていなかった」
Aさんは、容疑者が勤める不動産会社へ出向いて、苦情を訴えたという。
中西容疑者はいきなり土下座して謝罪
「契約不履行なので物件を解約して、ほかを探してほしいと伝えました。こちらも頭にきていたので、声は荒げましたよ。すると、中西容疑者はいきなり土下座してきて、“すいません。この物件はうちの物件ではなく、仲介物件で、相手方とすでに契約してしまったので、解約できないんです”と泣きついてきました」
長いやりとりの末、Aさんは渋々引き下がり、物件を解約せずに電話回線は自費でひいて対応した。それから、およそひと月が過ぎた、とある朝のことだった。
「滋賀県警大津北署の警察官が私の前に現れて、“あなたを逮捕する”と……。土下座を強要したという容疑でした。本当にびっくりしましたね」
不動産会社内の防犯カメラが、中西容疑者が土下座する姿をとらえていたというのだ。