外出先ではバイク用駐輪場に駐車できるので駐車場代の節約にもつながる。そして、最高時速は時速50km。
1回の充電にかかる費用は100円弱
「一般道ならほとんどの場合、交通の流れに乗って問題なく走行できます。ただし、他の車がビュンビュン飛ばすような幹線道路はバイクのように左端によけての走行が安全。また法定最低速度が時速50kmと定められている高速道路には乗ることができません」
バッテリーは取り外すことができ、家庭のコンセントで手軽に充電できる。
「1回の充電にかかる費用は100円弱。自動車なら2年ごとに必要な車検代も不要で、維持費が大幅に安くすむ点がお客様に喜ばれています。ちなみに、1回の充電で70km程度は走れるので、走行途中に電池切れになる心配はほぼなし。別売りのスペアバッテリーを搭載すれば、さらに長距離を走ることもできます」
いざというときに便利なのが、バッテリーを電源として使用できること。
「USBケーブルを最大で20個つなぐことができるので、一度に20人分のスマホを充電できます。フル充電の状態ならそれを10回繰り返せるため、要は200人分のスマホ充電が可能。また、照明をつけたりIHケトルでお湯を沸かしたりすることもできるので、災害時など停電したときにはかなり役立つはず」
近年は自治体や企業からの注文も増えている。
「例えば和歌山県すさみ町は道路が狭く、普通自動車ではすれ違いが困難な場所が多いとのこと。そこで観光用に弊社の電動トゥクトゥクを3台購入。今では観光客にレンタルされているそうです」
しっかりした屋根があるのもいい点。
「埼玉ヤクルト販売でも採用されていますが、以前は電動アシスト自転車を使用されていて、運んでいる最中に直射日光で商品がぬるくなるのに困っていたそうです。
しかし電動トゥクトゥクなら屋根があるため、商品をいい状態で運搬できるようになったそう。たくさん積めるのも利点で、いったん販売所に商品を取りに戻る必要がなくなったため、配達効率が上がったと聞いています」
雨天時も屋根のおかげで濡れることなく配達できる。また、バッテリーをうまく活用している企業も。
「ガソリン車が使えないトンネル内工事での運搬用に電動トゥクトゥクを採用してくださったのがユアサ商事。小回りが利くので狭いトンネル内でも楽々移動ができ、作業員の方々の休憩時にはバッテリーでお湯を沸かしてコーヒーを飲むなど、便利に使ってくださっているようです」
自治体や企業でその特長をフルに活かした活用がなされているが、もともとは子どもの送り迎えや高齢者の近隣移動に役立ててもらうことが開発の目的だった。
「私は子どもが2人います。幼いころは子ども乗せ自転車で移動できましたが、成長すると1台の自転車には乗せられないし、かといって3台の自転車で移動するのも危なっかしくて、車を使うほどではない近隣の移動が不便になることがわかりました。そこで、子ども乗せ自転車を卒業したご家族向けに、と電動トゥクトゥクを開発したんです」