【ケース2】今も聞こえる怨念のうめき鎖塚に眠る囚人
全国をロケで回る中、一番印象深かったのは、北海道の鎖塚です。明治から昭和初期にかけて、軍事道路をつくるため、現代では想像できないような劣悪な労働環境で囚人たちを働かせていました。
逃亡を防ぐために、囚人を2人一組にして、鉄の玉がついた鎖を足に付けていたそうです。冬の工事でなんと200人以上が亡くなりました。道路沿いに供養のための土饅頭と慰霊碑があるのですが、日中、そこで写真を撮ったところ、真ん中に赤いオーブが写りました。
いろいろな色のオーブがありますが、赤は怒りを表します。夜に再度ロケに行くと、土饅頭の奥の林から、「来て、来て」と声がして、どうしても耳から離れない。林に入ると、空気が淀み始めて、1か所だけ、かまくらのような大きさで空気が透けている。
何か呼ばれている気がして進みました。2、3歩だけのつもりだったのに、どんどん引き寄せられてしまい、周りではガシャガシャと鎖の鳴る音がする。囚人たちの足につけられた鎖の音です。もう怖くて、われを忘れるぐらい必死になって離れました。死者に取り込まれてあの世に行ってしまう恐怖、わかりますか。