向井亜紀の「今の目標」

 勉強を始めてから新たに興味を持ったこともある。

「子どもたちがアメリカでお世話になった方の中に、アートセラピーの専門家がいたんです。私の進んだ児童学科でもアートセラピーが学べるので、その勉強がすごく楽しい」

 やりたいことを実現するには、健康の維持が不可欠だ。今は通院を卒業し、年に1度、定期検査で病院に行く。

「手術の後遺症である脚のリンパ浮腫とは、これからも付き合っていくことになりますが、すこぶる元気。年を重ねれば、がんや病気になる確率は上がりますが、定期的にがん検診や内視鏡検査を受けて“病気の芽”を早めにやっつけてしまえば、楽しい時間はどんどん延びますよね」

 通信制の大学は卒業率が低いと聞き、目下の目標は3年で大学を卒業することだ。

「順調にいけば61歳で大学を卒業予定です。今後の進路は未定ですが、プライベートでは何か“推し活”ができたらいいなぁと」

 その理由のひとつが子宮頸がんを患っていたころ、世を席巻した“ヨン様ブーム”。

「当時、婦人科の先生が『ヨン様のおかげで日本女性の平均寿命が延びました』とおっしゃっていました。『好き!』と心底ときめくことは、精神にも肉体にもすごくいいんですって。実際、推しがある友人は明るくて若々しい。私も女子大生のテンションで、推しを見つける予定です(笑)」

向井亜紀(むかい・あき)●1964年、埼玉県生まれ。ラジオ番組のDJとして人気を集め、1993年から約30年間『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)に出演。1994年、プロレスラーの高田延彦氏と結婚。2000年に妊娠中に子宮頸がんが判明し子宮を全摘出。アメリカでの代理母出産にて双子を授かる。

(取材・文/熊谷あづさ)