1.みんなにタメ口なわけじゃない

 ナインティナイン・岡村隆史が司会を務める「おかべろ」(関西テレビ)。8月9日放送の同番組によると、あのちゃんは『ぐるナイSP』(日本テレビ系)で、女優・泉ピン子と共演した際、「ピン子ちゃん」呼びで通し、ピン子も怒ることなく、フツウに会話をしていたそうです(しかし、全カットされ、放送されなかったそうです)。芸能界というか、日本は総じて縦社会。いくらブレイク中と言っても、新人のあのちゃんが大先輩にタメ口を利くとはビックリですが、それでこそあのちゃんが出演した意味があるというもの。ある程度の年齢の視聴者をイライラさせることができますし、一方の若者は、大御所相手に怯まないあのちゃんをあっぱれと思うかもしれない。「これはヤバい」とネットニュースになり、たくさんのコメントがつくことは確実でしょう。

  ひと昔前なら、新人が大御所にこんなことをしたら、業界をほされてしまったかもしれない。けれど、今はそんなことをしたら、SNSで「あの大物にパワハラされました!」と告発できる時代ですし、SNSは概して弱い者の味方です。大御所も老害と言われることを恐れていますから、本心は別として、表向きは怒らないようにするしかないのでしょう。

 それでは、あのちゃんは敬語が使えない人なのかと言うと、そうではないのです。8月22日放送の『ロンドンハーツ!』(テレビ朝日系)の企画「格付けし合う女たち」に出演したあのちゃんは、藤田ニコル、みちょぱなど、同世代と思しき女性芸能人にはちゃんと敬語を使っていました。大御所ピン子にはタメ口なのに、どうしてちょっと上の先輩には敬語なのか。この状況を会社員にたとえると、わかりやすいかもしれません。新入女子社員が社長にため口で話しかけたとしたら、社長はムッとするかもしれませんが、毎日接するわけではありませんから、表面上は「最近の若い子は自由でいいね」と笑って、周囲には「ちゃんと教育するように」と命じて終わるでしょう。しかし、新入女子社員が、ちょっと年上の女性の先輩に同じことをしたら、女性のネットワークで「ヤバい子入ってきたよ」と一気に広まり、色々やりにくくなることが目に見えているので、きちんと敬語を使うのでしょう。あのちゃんは空気が読めるタイプだと思います。