実際にバズったおふたりの投稿や、バズりに至るまでの道中を詳しく聞いていこう。
SNSで反応されやすい『猫の写真を添える』
23歳という若さで住職になった籔本さん。毎日欠かさずお寺の掲示板に「今日のひと言」を貼り出し、SNSにもアップ。多くの反響を呼んでいるが、もともとは、字の練習のために始めたそう。
「葬儀の際に用いる、戒名などを記した“白木位牌”を書くのも仕事なのですが、住職になったばかりのころは字が本当に汚くて(笑)。人に見てもらったほうが上達すると思い、書いたものを寺の掲示板に貼るのが日課になりました」(籔本さん、以下同)
最初は仏教の教えをそのまま書き写していたが、段々と今風な言葉を使うように。
「内容は仏教の本筋からそれないようにしながら、見てくれる人に伝わりやすい言葉を選ぶようになりました。まだまだ未熟な身なので、自分への戒めの意味も込めています」
そんな日課である「今日のひと言」を、お寺のPRに活用できないかと、写真を撮ってインスタグラムに投稿するように。ただ、すぐに投稿がバズったわけではない。
「フォロワー数もなかなか伸びず、多くの人の目に留まるにはと考えたときに『毎日投稿をする』、SNSで反応されやすい『猫の写真を添える』ということを思いつきました」
地域猫の保護活動もしている籔本さんは、自分で撮影をした地域猫の写真と今日のひと言を組み合わせてインスタに投稿をするように。すると、フォロワーが急増した。
「地域猫は大変な苦労をしてきているので、ジロッとにらむような鋭い目つきをしています。そんな説得力のある表情をした猫たちに代弁してもらったことで、多くの人に言葉が届いたようです」
猫は仏教と縁の深い生き物。インドから経典を船で運ぶ際に、ネズミから守ってくれたという逸話が。そんな猫の力を借りつつ、籔本さんはこれからも投稿を続けていく。