9月7日、都内で行われたジャニーズ事務所の会見。故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り藤島ジュリー景子氏(57)、少年隊の東山紀之新社長(56)、元V6でジャニーズアイランド社長でもある井ノ原快彦(47)、顧問弁護士の木目田裕弁護士が登壇した。
屋号を変えないことで露呈したジャニーズの“思考”
質疑応答は各社から1問ずつという形かつ、全員が質問を行えるという会見はジャニーズ事務所として覚悟があってのことだろう。
会見の争点となったのは、
・性加害を認めるか
・被害者の救済
・藤島ジュリー景子氏の進退
との3つであったが、各社からの質問では、
・藤島氏が所有する100%株の行方
・藤島氏の具体的な辞任時期
・東山・井ノ原は故・ジャニー喜多川氏による性加害の認識はあったのか
・各局との忖度を今後どうしていくのか
と、集まった報道各社や記者がさまざまな質問を投げかけた。それに対し、会見に出た4人は真摯に答えていたように見える。
そこで気になるのはやはり「ジャニーズ」という会社の屋号を変更しないということだろう。
会見に出席したYouTubeチャンネル『一月万冊』の作家・本間龍氏はこう質問した。
「(ジャニーズという屋号は)ジャニー喜多川氏の名前でもあるが、今まで頑張ってきたタレントたちの総意でもあるとの話だが、ちょっと納得できない。我々一般人からするとジャニー喜多川さんの作った会社。その方が40年・50年、下手をしたら100人、数千人の人々を不幸のどん底にたたき落としてきた。そういう状況の中でその方の名前を冠した名前をつづけていくというのはあまりに常識はずれではないか。
あえてキツイ言い方をすれば、ヒトラー株式会社とかスターリン株式会社なんてないわけですよね。それに匹敵するほどの犯罪を犯したというご自覚が足りないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか」
この質問を受け、東山はこう答えた。
「おっしゃる通りだと思います。今回提言をいただいて、解体的見直しが必要だという意見をいただいて、それを踏まえた上で、みんなは本当に理解をしていると思います。たくさんの方が被害にあったということも理解しています。
僕自身も名前を変え、再出発したほうが、正しいのかもしれません。ただやはり僕らはファンの方に支えられているものですから、それをどこまで変更することがいいのかという風に考えておりました。本当におっしゃる通りだと思うので、今後はそういうイメージを払拭できるほど、みんなが一丸となってがんばっていくべきなのかなという判断を今はしています」
今回の会見では、被害者に対して救済や心のケアという言葉が多く出てきたが、屋号を変えないという判断をしたことに、スポーツ紙記者はこう話す。
「4時間越えという長い時間の会見ではあったと思いますが、新事実のような発言や具体的な対策についての話はあまりなかったような印象です。
性加害を認め、被害者へのケアをしていくことは分かったのですが、ケアする上で“ジャニーズ”という屋号を変えないのは、被害者に全然寄り添えてないですよね。ジャニーズという文字を見るたびに被害者は当時のことがフラッシュバックすることもありえるのに、今回は“自社タレント&ファン”と“被害者”を天秤にかけて前者をとったというように映ってしまうことを理解できてなかったのかなと」
被害者がフラッシュバックしてしまうことに対し、ロゴを変えていくこともあるかもしれないと東山新社長は話すこともあった。また社名の変更の余地もあると発言したが、今回の会見ではそこまでに留め、会見を後にした。
ネット上では、
《愛着とかプライドとか歴史とかそういうレベルの話じゃないんやで…事の重大さがわかってないんかな?世界的にも歴史に残る性犯罪を犯した人物の名前を冠した会社ということやで》
《正常な判断できないだろうね。正解か不正解か?明らかに不正解。名前を見るだけで蘇る。被害者に寄り添う気ゼロ》
《ジャニーズの屋号はプライド!!!》
《一緒に、頑張っていこうね。みんなが屋号を守るのと同じようにファンもジャニーズというものを守りたいって思ってるよ》
と賛否両論。
会見ではジュリー氏が涙ながらに既存タレントへのこれまで通りの応援を呼びかけたたり、東山新社長や井ノ原がタレントおよびジュニアたちの努力を盾に訴えかける話口調も多かったと思う。しかし、既存タレントを守ることと被害者へのケアは全くの別事案。何を優先して会社を改革していくのか、東山新社長の手腕にかけられている。