さらに中島さんは、「レトルト食品を温める際は、湯せんよりもレンジのほうが美味しくなります」と、まさかのトリビアを告げる。
「湯せんの場合、お湯の熱によってカレーの外側から温まっていきます。一方、レンジは中から、各具材がムラなく温まります。
また、レンジで温めるとレトルトされた空気が抜けていくので、スパイス感が高まるんですね。そのため、私たちはレンジで温めることを推奨しています」
知らなかった!湯せんのほうが「美味しそう」に感じるのは、「なんとなく」という雰囲気によるところが大きかっただけとは……。
「現在、ボンカレーは、『ゴールド』『ネオ』『元祖』などさまざまな種類が販売されていますが、そのまま食べるだけではなく、お鍋にボンカレーと鶏がらスープを入れてなじませ、加熱しながら他の材料も加えて10分ほど煮込む“ボンカレー鍋”などもオススメです。
公式サイトで、ボンカレーを使ったさまざまなレシピを公開しているので、のぞいてみてください(笑)」
ボンカレーシリーズは、すべての具材に使用する野菜を国産にするなど、今なお美味しさを追求し続けている。コロナ禍の外出自粛によって、レトルト食品に助けられた、あるいは進化し続けるその美味しさに驚いた人は多かったはずだ。
「お客さまのライフスタイルの変化に合わせながら、レトルト食品を提案していければと思っています。新しさと面白さをお届けできるボンカレーであり続けるために、発売56年目以降もブラッシュアップしていきたいです」
ボンカレーのパッケージに描かれた三重丸には、「おいしさ三重丸」の意味が込められているという。「さらに輪をかけておいしく」。レトルトカレーの先駆者として、これからも私たちの目を丸くさせてほしい。
(取材・文/我妻弘崇)