株式の行方は?
2つ目の課題は、経営の悪化だ。企業法務に詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士が解説する。
「新会社設立には2パターンがあると考えます。1つは、藤島ジュリー景子氏が持つ株式を売却し、そのお金で被害者への補償を行う新会社を設立する方法です。法人としてのジャニーズ事務所は社名変更をするだけで、既存のタレントやファンクラブ会員との再契約はいっさい不要になる。しかし、問題は、藤島氏が持つ約2万8000株の買い手がいるのかということ。株をいくらで評価するのかもわかりませんが、売却すればかなりの金額になるはずです」
もう1つの方法は?
「新会社を設立してタレントや従業員を移すパターン。これについては、ファンクラブの会員1人1人と新会社が、契約を再度結ぶ必要が出てくる可能性がある。これによって問題となるのは、ファンクラブの会員が減少すること」
例えば名義貸しをしている場合は、ファンではない他人に契約意思の確認を行うことになる。
「再契約を迫られたときに退会してしまう人が出てくる。さらにタレントとも再契約が必要となる可能性がある。ファンクラブ会員やタレントが減れば、それだけ売り上げは減少します」