『ハヤブサ消防団』はスレスレまでしっかりと描いた

 『ハヤブサ消防団』は中村倫也演じる作家が、岐阜の山間集落“ハヤブサ地区”に移住。放火が疑われる火災が続く中、地元の消防団に加わる。

「よくできている作品なんですが、部分的に笑っちゃうところもあって。蛍や火事のシーンのCGのずっこけ感とか(笑)。消防団のおじさんたちの面白さや可愛さはすごくよかったですね。わざとイチャイチャして、女性視聴者にキャーキャー言われるためのあざとさではなく。それぞれの距離感や立ち位置、日常が見えていたのがすごくよかったです」

 そのメンバーは生瀬勝久、 橋本じゅん、梶原善、 岡部たかし、そして満島真之介。

「ここまで濃くて、上手い人を集めると全員が怪しくて(笑)。途中までは誰が犯人でもおかしくないように見えていましたね。そもそも『ハヤブサ消防団』というタイトルから、宗教に発展する物語になっていくとは想像できなかった人が大勢いたと思います。

 池井戸潤さんの原作の内容は知っていたので “どこまで描くんだろう?”と思っていましたが、スレスレのところまでしっかりと描かれていました。“よくここまでやったな”と思います。ヒロインの川口春奈さんの使い方も上手かったし、主人公(中村倫也)はふにゃふにゃした頼りなさそうな感じに見えていたのに、鋭さがあったり、意外と大胆で芯が強そうな感じがあったり。ミステリー部分と日常のわちゃわちゃ、そこをうまく繋いでいたところもやっぱり中村倫也さんの上手さだなと思いました」