「通信費については携帯を楽天モバイルに替えて月2万円から6500円に。家のWi-Fi契約はせず、YouTubeも携帯のデザリング機能で更新していますが、今まで問題ないです」(夫さん)
節約一辺倒ではなく、日々の楽しみも大切にすることも貯める生活を続けるコツだ。食費は以前と同様、5万円をキープしたという。
「義理の飲み会を断るようにして外食費は月2万円、娯楽費は平日休みや夜より値段が抑えられるランチを利用して5千円削ったんです。生活費を約19万円に抑え、残りは貯蓄に回しました」(妻さん)
壁に目標を張ってモチベーション維持
貯蓄と同時に夫が取り組んだのが株式投資だ。知識ゼロから本やYouTubeで勉強を始め、比較的安心な『インデックス投資』と『高配当株投資』を併用。コロナ禍の株価暴落をチャンスに資産を大きくした。
「移住後は労働収入が減る分、資金運用や貯蓄で補う必要があります。心配性なので3000万円は貯めておきたかったんですよ」(夫さん)
さらに夫はファイナンシャルプランナー3級の資格も取得。この知識は移住時、保険などの手続きにも役立った。
「もちろん途中で気持ちがくじけそうになることもありました。モチベーションを維持できたのは、セミリタイア後の生活を具体的にイメージできていたから。目標を書いた紙を壁に張り、ひとつずつクリアしました」(夫さん)
SNSを通じて知り合った先輩移住者に話を聞けたことも、プラスに働いた。
「僕らがやりたいことを手助けしてくれる人も多くて、本当に感謝しています。沖縄の物価が意外に高いことなどを事前に知っておけたことはよかったですね。保険や税金を除いた今の生活費は約14万円に下がりました」(夫さん)
家には今もこだわらず、家賃3万2千円の1K暮らしだ。
「意外に規則正しい生活をしているんですよ。私は家庭菜園が今、いちばんの楽しみですね。夫は釣りに行ったり、市営のジムに行ったり。2人とも1日1回は家の外に出るようにしています」(妻さん)
お金があることの安心感や自由な時間を得たことで、それぞれが理想の暮らしに向かって邁進(まいしん)している。