力のある事務所ならどこもやっていること
マネジメント契約と異なり、出演料などのギャラは、タレントに直接支払われ、タレントが事務所に手数料を支払う形になる。当然タレントの取り分は多くなる。だが、落とし穴も。大手芸能プロ幹部に話を聞くと、
「黙っていてもたくさんオファーが来る人気タレント、今の若手ジャニーズでいうとSixTONESやSnowManならエージェント契約でもやっていけるでしょうし、メリットも大きい。しかしこれから売り出すJr.たちは厳しいでしょう。まだ実力がハッキリしないタレントを売り込むにはいろいろな“裏技”が必要になってきます。たとえば、“Aはスケジュールが空いてないがBなら。その代わりCも一緒に出演可能です”とか“新人のこのタレントを使ってくれたら、Aを説得しましょう”ですとか、いわゆる『バーター』などですね。力のある芸能事務所ならどこもやっていることですが。無名のうちはこのバーターは早く売れるための一番の近道です」
このことからも、まだ売れていない若手たちは独立の可能性は低いだろうという。しかしながら新会社とはいえ“元ジャニーズ事務所”であるというイメージは早々に消えないとおもわれる。これが、所属するタレントたちに何かしらの悪影響は及ぼさないのだろうか。
「いまも芸能界まわりでは『義理』や『仁義』が重んじられています。テレビ局の上層部は長年ジャニーズと利益を共有してきた関係性。いまのところ起用を止める様子はないようです。新事務所は今までのような強引ともとれるメディアコントロールはしないでしょうから、“出演頻度”はこれまでほどではなくなるかもしれませんが、影響力は相変わらずでしょうね」(前出・芸能プロ関係者)
エージェントorマネジメント契約、それとも独立……? タレントたちが出す答えいかに。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> 宮城県仙台市出身。『FRIDAY』で取材活動をスタート、記者歴37年のなかで数々のスクープを手がける。現在はテレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中