イノッチと言えば、NHKの生活情報番組「あさイチ」有働由美子アナウンサーとタッグを組んで進行役を務めていました。同番組ではセクハラを取り上げたことがありましたが、イノッチは「この番組でも結構思うことは多い」「“縁結び”とかのネタの時に有働さんに全部振るのはどうかと思う」と番組の姿勢を批判し、称賛されました。しかし、ここで忘れてほしくないことは、有働さんが自分から「さみしい独身」ウリをしていることではないでしょうか。

 有働アナが何も言っていないのに、“結婚はどうなんだ”と出演者がやいやい詰め寄ったら完全にセクハラでしょう。しかし、有働アナ自身が独身自虐をするから番組はそこにのっかっているわけで、自分が言うのはいいけれど、他人に言われるとハラスメントというのは、ちょっと面倒くさいというか、筋が通らないのではないでしょうか。もし本当にハラスメントNOなのであれば、イノッチも「そういうことを言わないでいい」と有働アナの独身自虐をいさめる必要があったでしょう。しかし、それをすることは有働サンのキャラをつぶすことにつながってしまいますし、そうなると、イノッチ自身の「いい人キャラ」の出番も無くなってしまいます。ですから、問題の根本にはあえてふみこまず、自分の見せ場が増えたとしてキャラを演じていたのではないでしょうか。このように書くとイノッチの人間性を批判しているように感じるかもしれませんが、芸能人のお仕事は「自分をよく見せること」ですから、問題を根こそぎ解決するわけではない「正論風キャラ」を貫くことは当然の判断だと思います。

好感度が高いほど、バッシングも大きくなる

 しかし、こういう弱い人の味方をする、もしくは情に訴えた発言が有効なのは、ウソや隠し事がない時に限るのではないでしょうか。会見の後、PR会社が作成した指名しない記者のリスト、通称“NGリスト”があったことをNHKが報じたこと、その存在をイノッチが知っていたことで、風向きが変わってきてしまいます。PR会社の仕事は、ジャニーズ事務所のイメージを上げることでしょうから、記者会見の支障となるような記者に注意することがおかしなことだと私は思いませんが、そのリストの存在がバレバレなのが、今のジャニーズ事務所の運のなさというか、詰めの甘いところ。私個人はイノッチが悪いとは全く思いませんが、こういう時、好感度の高い人のほうが反動も大きく、バッシングされてしまうのだと思います。