10月15日、石川県金沢市で『いしかわ百万石文化祭』開会式が行われた。天皇、皇后両陛下も臨席されたこの式典の総合演出を務めたのは、狂言師の野村萬斎。
「フィナーレで萬斎さんが披露したラヴェル作曲の『ボレロ』に合わせた美しい舞に、雅子さまは感動したご様子で拍手を送っていらっしゃいました」(皇室担当記者)
来たる11月11日には、萬斎氏が主宰する狂言会『狂言ござる乃座』が京都で開催される。
「萬斎さんはもちろん、長男の裕基さんも出演し、小舞を披露する予定です。今年5月から大人気マンガ『鬼滅の刃』を能・狂言化した舞台が上演されましたが、そこでもふたりは共演しています。萬斎さんは主人公最大の敵となる鬼舞辻無惨を、裕基さんは主要キャストのひとりで、人気キャラクターの我妻善逸を演じました」(スポーツ紙記者)
親子での共演が続くふたり。そこには萬斎の“師匠”としての思いがあるようで……。
「萬斎さんは狂言について、“行間を読み取ることが求められる芸術”と考えています。息子であり、弟子でもある裕基さんには、同じ舞台に立って自らの立ち居振る舞いをじかに見てもらうことで“機微”を学んでほしいとの思いがあるのでしょう。一方の裕基さんは“父は厳しい”と漏らすこともありました」(舞台関係者)
昨年3月に慶應義塾大学法学部政治学科を卒業した裕基。在学中は稽古と学業との両立にかなり苦労していたそう。
“高得点ルール”の適用で卒業
「裕基くんは仕事の都合で、大学にはあまり通えていませんでした。そういった事情のある生徒には教授の差配で、語学などの出席が必要な必修科目で出席日数が少なくても、代わりにテストで8割以上の点数を取ることで単位を修得できる“高得点ルール”が設けられていました。裕貴くんも出席点ではなく、テストで高得点を獲得して単位を取得していました。忙しい合間で勉強していて大変だったみたいで、“テスト範囲が覚えられない”とぼやいていたこともありました」(大学時代の同級生、以下同)
厳しい試練を乗り越えるべく、共に助け合うクラスメートがいたという。
「現在放送中のTBS系日曜劇場『下剋上球児』に出演している俳優の伊藤あさひくんです。在学中、『スーパー戦隊』シリーズで主演を務めていたこともあり、裕基くん同様、忙しそうでした。クラスメートだったふたりは同じ授業をいくつも履修していて、伊藤くんにも“高得点ルール”が適用されていました」
仕事と学業の“二刀流”に挑む者同士、わかり合えることは多かったのだろう。
「大学の友達との飲み会にもふたりそろってよく顔を出していました。ふたりとも、どんなに会が盛り上がっても、翌日に仕事があるときは、きちんと早めに帰路についていました。そのときはプロ意識を感じましたね」
愛息の成長に、父は小舞を踊らずにはいられない思いだろう。