つつがなく終わったように見えるが、澤瀉屋の関係者は、この法要に違和感を覚えたようだ。
「猿翁さんといえば、スーパー歌舞伎を確立して、1980年代後半の歌舞伎界を盛り上げた大貢献者。もっと大勢の人が法要に参列してもよかったと思うのですが……」(歌舞伎業界関係者、以下同)
2023年5月に世間を震撼させた両親を巻き込む心中事件を起こした四代目・市川猿之助被告。10月20日に初公判があり、11月17日に判決が言い渡される予定だが、この日、その姿は見当たらず。
「香川さんの夢は、長男の市川團子さんに自身では継げなかった『猿之助』の名跡を継承させることでした。ただ、四十九日法要に、團子さんの姿は見当たりませんでした。また、香川さんが2022年に再婚していた31歳下の元タレントの女性と、同時期に生まれたという男児の姿も確認できせんでした」
後日、猿翁さんのお別れの会を行うとしているが、具体的な発表は、まだない。
「香川さんは現在、市川中車として歌舞伎の舞台に立っており、今後の人生を歌舞伎と大好きな昆虫の研究に捧げると宣言しています。そのために必要なのは、歌舞伎興行の実績とご贔屓の支援だと、よくわかっています」
そんな中で聞こえてきたのが、こんな計画だった。
猿之助を巻き込む“話題づくり”公演計画
「香川さんが、猿翁さんにゆかりの演目を披露する“追善公演”を取り仕切って、それを猿之助さんの復帰舞台にもするという話です。役者としての復帰か、演出などの裏方かは不明ですが、追善公演と復帰舞台が一緒になれば大きな話題になります。さらに、それが成功すれば、猿之助さんは香川さんに大きな貸しを作ることになるでしょう」
ただ、これまで本格的に歌舞伎に取り組んでこなかった香川には、いまだ“新参者”としての見方が強い。
「かつて猿翁さんの弟子で、一時は“リトル猿之助”と呼ばれたこともある市川右團次さんも、四十九日法要でその姿は確認できてません。右團次さんは、2016年に澤瀉屋を離脱していますが、猿翁さんの芸を継承した彼が加わる追善公演なら、贔屓筋も見に来るかもしれないのですが……」
こうした人間模様もまた、見どころというわけではないのだろうが……。