韓国ドラマとの違い
「特に切実だったのが4月クールに放送された『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)。清野菜名さん演じる主人公が母親(和久井映見)と団地でふたり暮らしをしていて、お金がないからファミレスのバイトのシフトを増やしてばかり。しかも、自分のせいで母親が車いす生活になってしまったから、介護までしなくちゃいけないという貧困にヤングケアラーの設定も。
『真夏のシンデレラ』でも、介護ではないにしろダメ親のためにヒロインがひとりで家族を背負い込んでいましたが、確かに現実にもある話だと思います。ただ、こういった作品はたまに見るのはいいのですが、あまり増えすぎると、視聴者も離れてしまうのでは」
『シスターズ』など、貧困ヒロインを主人公にした作品も多い韓国ドラマの影響も少しはあると小林さん。
「ただ日本はリアルに落とし込みすぎている感じがします。韓国ドラマって内容が振り切っているじゃないですか。だから少し非現実的でもエンターテインメント作品として見られる。日本もそういった部分を取り入れてもいいんじゃないかなと思います」
今後も貧困ヒロインドラマは増えていくのか?
「バブル期にはトレンディードラマが流行ったりと、ドラマは時代を映す鏡なんて言われたりしますが、今のドラマは不安な世の中の現実を、そのまま表現している感じがします。ドラマなんですから、少しは夢を与えてほしいじゃないですか。例えば恋愛ものにしても、デートシーンはラーメン屋ではなく表参道のカフェ(笑)。そういう作品を期待したいです」