週刊誌も新聞も全部目を通す
「週刊誌も新聞も全部目を通す。スポーツ紙の芸能面を読んでいれば、『新しい学校のリーダーズ』が流行っているのだってわかるし、ニュースの裏で芸能界の誰が動いているのかもわかる(笑)。宝塚も歌舞伎界もわが日大も、きちんと見続ける。最近は、ジャニーズも大変だなって。今の代々木公園が昔、アメリカ軍人の住むワシントンハイツだったころ、ジャニー(喜多川)さんの少年野球チームと、こっちの野球チームとで対戦していたからね」と、意外なつながりを打ち明ける。
フリーアナウンサーで司会者の玉置宏さん(2010年、76歳で没)が司会を務めていた『ロッテ 歌のアルバム』(TBS系)の構成に関わったことが、センセーの芸能全般への視線を耕したという。
「玉置さんは歌謡界の生き字引。そんな人から歌謡曲の歴史や芸能界の力関係を教わった」
ニッポン放送の3スタが、『ラジオビバリー昼ズ』の根城だ。センセーに快適にしゃべってもらうための環境づくりは、申し送りノートに記述されている。
「日本茶とコーヒーを準備しますが、コーヒーはミルク半分、砂糖半分。それをセンセーの右側に置きます。喉をいたわるためのフィニッシュコーワも必需品。それからドーナツクッション。あれをイスに置いて、イスの高さはいちばん上まで上げる。センセーいわく『俺は座高が低いんだ』です」(前出・山口さん)
11時までQシート(進行表)をチェックして、新聞を読み、トイレに行き、センセーは準備を整える。
「ラジオのマクラにあたるオープニングでしゃべることは、ある程度事前に決めているようです。われわれスタッフにも秘密にしていることもあるし、逆にわれわれの反応を見て、ウケ具合を探ることもあります」という笑いの儀式を経てのいざ本番。「いちばんいい席で楽しませていただいている」と山口さんはニコニコだ。
センセーはスタジオに入るとまず靴を脱ぐ。スリッパにはき替える。「こうしたほうがしゃべりやすいよ」と、前出・玉置さんが教えてくれた。実際、リラックスしてしゃべれるという。
本番に入れば、あとは共演者との丁々発止。猛スピードでしゃべり倒す。
「調子がいいときも悪いときもこれが俺だから。それを聴かせりゃいいんだよ、というスタンス。“今”と“ライブ”をとことん大切にする」と前出・山口さん。同局の生ワイドショーで最長、35年の歴史を誇る『ラジオビバリー昼ズ』は、センセーの今日を生で聴かせる、そんなドキュメンタリー性も帯びている。
1989年4月10日に始まった同番組は、ニッポン放送開局70年の来年、放送開始35年を迎える。東京人の暮らしぶりや芸能界の先輩後輩の近況などをタイムリーかつふんわりと伝え続けている番組。来年6月28日、東京・有楽町の東京国際フォーラム ホールAで『高田文夫のラジオビバリー昼ズ リスナー大感謝祭~そんなこんなで35周年~』を開催する。