「番組の浄化」
今回の旧ジャニーズ勢の出場がゼロという状況は、これからの『紅白』の試金石になるかもしれない、と吉田さん。
「今回、旧ジャニーズの枠をいろいろなアーティストが埋めていますよね。新しい学校のリーダーズとかAdoさんとか、ちゃんと歌を聴かせる人たちだと思うし。大泉洋さんは一昨年、昨年の司会に対する“ご褒美”かもしれないけれど(笑)、往年のアイドルの伊藤蘭さんは旧ジャニーズの騒動がなければ、出ることはなかったかもしれない。
特定のところに変に媚を売るのではなく、ちゃんと歌える人たちを集めて歌合戦をする。ある意味、番組の正常化というか、浄化ですよ。旧ジャニーズのタレントを見たいのなら、ファンは彼らのコンサートへ行けばいい。そうすればずっと見ていられるんですから」
今年、恒例になっていた旧ジャニーズの『カウントダウンコンサート』は中止になった。しかし、
《ファンの皆さんと最高の大晦日にすべく絶賛企画中》
と、Snow Manが時間は未定ながら、大みそかに生配信ライブをすることを発表した。
「ファンにとっては、いちばんいいことじゃないかな。だって『紅白』で自分の持ち歌を歌う以外に、ほかの歌手のにぎやかしみたいな形でステージに上げられる推しを待っているなら、配信でずっと推しを見たいと思うのは普通のこと。私みたいに、別に旧ジャニーズを見たいと思っていなくて、歌を楽しみたい人にとってもスッキリするし(笑)」
ある意味、勝負をかけた今年の『紅白』。旧ジャニーズの姿が見えないことで、どんな変化があるのか─。
「『紅白』を見ている人たちの大部分は、ほかに見るものがない、という消極的選択の人だと思うんです。なんとなく、テレビをつけているような。そんな中、旧ジャニーズが出ないことで視聴率が取れなかったという結果になったら、もう『紅白』をやめてもいいんじゃないかと。男女分かれて歌合戦というのも、今の時代では微妙ですし(笑)。
それでも続けるというのなら視聴率なんて考えずに、本当に歌を聴かせるという番組に舵を切っていくほうがいいんじゃないかな。旧ジャニーズが多くのファンの声で選ばれてきたのなら、『紅白』ではなく配信やコンサートで見てもらえばいい。NHKは『紅白』をどう変えていくかを考える、いい機会になったと思います」