大ヒットしたわけでもないのに続編が作られる理由
要するに、ツッコミどころが多すぎて話題になったし、数字もそこそこ取っていたが、続編が作られるほどの大ヒットだったのか? という部分が大いに疑問なのだ。
そこでおのずと注目されたのが、主演が旧ジャニーズの大看板である嵐のメンバーだというところ。
旧ジャニーズ事務所と日本テレビは、『24時間テレビ』のメインパーソナリティーに毎年、旧ジャニーズタレントが抜擢されているなど、結びつきが強かったのは誰もが知るところ。
9月と10月のジャニーズ事務所の会見までは、現在ほど風当たりは強くなっておらず、旧ジャニーズ側もテレビ局各局も楽観視。ここまでのオオゴトになるとは思っていなかったのかもしれない。
今回の続編『XXX占拠』の制作が決定して、櫻井がブッキングされたのも、おそらく9月の会見以前だったのだろう。
だが3月にはイギリスのBBCで故・ジャニー喜多川氏による性加害事件を報じるドキュメンタリーが放送され、4月にはカウアン・オカモト氏(27)が日本外国特派員協会で会見を開いていた。
今から8か月ほど前にはそのような状況だったことから逆算すると、仮に続編制作の話が持ち上がっていたとしても、ストップさせられるタイミングは何度もあったように思える。
それでも日本テレビはこの続編の制作を見送ることなく、来年1月に放送するわけだ。
続編が作られた櫻井翔主演ドラマはほかにもあった
櫻井と日テレと言えば、2021年4月期に放送された櫻井と広瀬すずのダブル主演作『ネメシス』も思い出される。
『ネメシス』も作品自体に批判的な声が多く、視聴率などの数字もいまいちだったが、今年3月に続編となる劇場版が公開された。ドラマ版がヒットしていたわけでもないので、劇場版も当然大きな話題にならず「爆死」と報じるメディアもあったほどだ。
大ヒットしたわけでもない『ネメシス』と『大病院占拠』の続編が制作されるのは、日本テレビが旧ジャニーズにいかに依存していたか、もしくはいかに旧ジャニーズのご機嫌を取ろうとしていたかが伺い知れるというもの。
9月、10月の旧ジャニーズの会見以降は風向きがガラリと変わったので、さすがに日テレも今後しばらくは距離を置くだろう。
しかし、前述したように3月にBBCでドキュメンタリーが放送されてから時間は充分あったにもかかわらず、日テレは大ヒットしたわけでもない旧ジャニーズタレント主演の続編に、ストップをかけなかったというのは揺るぎない事実なのである。