料金はサイズで異なるが、全長40cmの場合は2970円~。決して安い金額ではない。
実は、ぬいぐるみは洗濯表示のある洋服と違い、洗う前提でつくられていないのでクリーニングの難易度が高い。最適な水温や洗剤などが書かれていないので、汚れや素材に合った洗剤選びから始まる。洗い方も千差万別で手間がかかるのだ。
ぬいぐるみへの愛情「うちの子をよろしくお願いします」
また、持ち主の愛情も格別に強いのがぬいぐるみ。
「ネットで申し込まれる際にぬいぐるみとのなれそめを書かれるお客様が多く、みなさん“うちの子をよろしくお願いします”と表現されます。生まれたときから一緒で、20~30年前のものは当たり前。ご家族という認識で依頼されますから、私たちも“ぬいぐるみファースト”で、生き物を預からせていただく緊張感を持って対応しています」
クリーニングに出すほどではないけれど、汚れが気になる場合、おうちでできるお手入れの方法はあるのか?
「バスタブに水を張って、衣類用の中性洗剤を入れて押し洗いしてください。その後、必ずネットに入れて洗濯機で3分くらい脱水を。ネットなしで脱水にかけると、遠心力がかかって頭と胴体がバラバラになってしまうことも」
また、ぬいぐるみ1体だけで回すとバランスが崩れて洗濯機が止まってしまうので、脱水前の濡れた洋服を対面に入れて回すとうまく脱水できるという。陰干しして乾いたら、ブラシで毛並みをそろえると、よりふわふわに。
ただし、10年以上前のものは生地や縫製が劣化して弱っているので避けたほうがいいそう。
「中に機械や針金、重りが入っているものも、専門クリーニングにご依頼いただけると安心かと思います」
取材・文/小新井知子