メディアが問う金・解散・再結成の意思
このようにメディアの前で彼が話すことはあまりない。そのためか'20年に出演したバラエティー番組では“解散後テレビ初出演!”と大きく謳われた。
「メディアはやはりある程度影響力があるので、それでお客さん増えたらいいなっていうだけで出ましたね(笑)。別に出たかったわけじゃなく、出たいと思ったことはないです。(岡平)健治くんがたまに出て、お金だなんだって話をずっとしてるので、それに僕も何か言わされるみたいな感じですかね」
メディアが問うてくるのはたいてい決まっている。金・解散・再結成の意思……。
「別に内情ってそんなに知りたいですかね? と……。聞くあなたたちだっていっぱいあるでしょって思うんですけど。僕もそんなふうに聞かれるのはわかったうえで出ているので、文句というわけではなくて。その分お客さんが来てくれたらいいなっていうだけですよね。本当、それだけです。
だから話の内容になんの面白さも感じていませんし。と言いつつも、('20年の番組出演直後)コロナ禍になっちゃったんで、なんかより“出て失敗したな”とか思ったりしました。時期的にお客さんが来れるような状況じゃなかった。出損でしたね、僕的には(笑)」
コロナ禍にはファンに向け『17live』でライブ配信を行った。当時の配信は彼のYouTubeで視聴できる。
「やっぱり生活していかなきゃいけないので、配信で稼がないとな、というところからのものと、YouTubeもしっかりやらないとなと思って、『17live』でやったものをアップした感じですね」
ライブ配信では『19』の楽曲を歌うこともあった。当時の曲を“今”歌うことについては──。
「歌って嫌だということはないですけど、何かやれば何か反応があるので、それが面倒くさいとは思ったりします。歌い方が違うとか、変わったとか。ずっと歌ってきたものではないので、変わってしまうのは仕方ないので。
ただ、評価するに値しない人たちの意見なので。僕のことを評価できる立場じゃないというか。ずっとライブに来てくれてたりとか、見てくれている人たちの話だったら正座して聞きますけど(笑)。(配信を始めた)心情というか、ざっくり言うとやはり本当に生活をしなきゃいけないっていうのが大きいです」
奇しくも今年は『19』結成25周年の年。それは岩瀬のデビュー25周年を意味する。25年前と変わり、音楽はサブスクで、もしくは巷で話題になっていたり、そこからYouTubeなどで事前に耳にしてから購入に至るというのが、現在、音楽に対してお金を使うときの“普通”といえる。
「そういうのが一切ないので、(予約をたくさんもらえたことは)すごく嬉しいですね。自分がずっとやってきたことに対して信頼してもらえたのはすごくありがたいと思います。自信もありますし、リリース後は少しずつMVも考えていったりとか、そういったアウトプットもしたいと思います。あからさまにバンバン作るつもりはないですけど、これから広げていこうと思っているので、そこに対する勇気にもなりますね。次の制作物に対する資金にもなりますし、だいぶありがたいです」
(文中、敬称略)