佐藤容疑者は神奈川県横浜市で3人きょうだいの長男として生まれ、のちに一家は浦安市へ移住する。

「きょうだいで長男だけは昔から普通じゃなかった。ヤンキーというか、やんちゃな感じでした。なんの仕事をしているのかもよくわからなかったが、しばしば作業服姿を見かけたから、現場で働く仕事だったんじゃないかな」(近所の住民)

 実家を出た容疑者は自営で、解体業をしていたようだが、

「いわば“ひとり親方”のようなもので、従業員らしき人はいなかったと思いますよ」(同・住民)

 そんななか、容疑者は昨年春、女性を連れて実家に戻ってきた。その女性こそが被害者の早川さんだった。容疑者は早川さんの『伝書鳩』の仕事を手伝うようになり、事業のPRのためにインターネットのラジオ番組も配信していた。

早川さんと思われる女性と佐藤容疑者。二人は介護の仕事を伝えるラジオ番組に出演していた(ネットラジオ局サイトより)
早川さんと思われる女性と佐藤容疑者。二人は介護の仕事を伝えるラジオ番組に出演していた(ネットラジオ局サイトより)
【写真】容疑者がSNSに投稿していた被害女性との“じゃれ合い”写真、仲睦まじい姿も

 しかし、2人の関係はわずか1年半しか続かなかった。今年9月、早川さんは同居していた容疑者の実家を出ていき、再び横須賀市に戻って一戸建ての借家に住んでいた。

「彼女はいつも車で出かけていくんですが、ときどき自宅にはもう1台、車が停まっていた。顔は見たことないけど、男だったと思うよ」(近所の主婦)

容疑者の父親「被害者は素晴らしい女性」

 おそらく、佐藤容疑者だったのであろう。男女の関係は終わっていても、仕事としての関係は続いていたのかもしれない。あるいは、容疑者がよりを戻そうとするために押しかけていたのか……。

 容疑者の素顔を取材すべく実家を訪ねてみた。80歳前後の父親を直撃すると、

「すいません。うちの息子が、こんなとんでもないことをしてしまって。でも、弁護士の先生から“話すな”と止められていますので」

 と弱々しく答えながら頭を何度も下げた。亡くなった早川さんについては、

「しばらく、ここにいたことは間違いないです。とても素晴らしい女性でしたよ。それが……痴話ゲンカでこんなことになってしまって……。すいません、これくらいで勘弁してください」

 と再びうなだれた。

 容疑者のSNSには、早川さんと思われる女性と戯れ合う写真が投稿されていた。二人の間に一体何があったのか。佐藤容疑者の身勝手極まりない凶行の罪は、きわめて重い。