「ジャニーズ問題を見てもわかるように、性加害は事件として重い。報道が仮に事実だとしたら、当然芸能界を引退しなければならない不祥事ですよ。判決が出るまで芸能活動を休止するのだとすると、復帰が現実的に可能なのか。現時点での個人的な印象としては、復帰は相当難しいのではないかと思います」(ラリー遠田氏、以下同)

 突如テレビから姿を消したことが、事態を悪化させた。

事前の通告や相談なしに突如テレビから姿を消してしまったわけですが、そのことでテレビ局、スポンサー、広告代理店の方々が対応に追われているわけです。すでに多方面に迷惑をかけてしまっている状況なので、事務所が何年後かに“また復帰させますのでよろしくお願いします”と言ったとして、受け入れられるかどうかはわかりません

島田紳助さんが引退したときは

 ピンチで頼りになるのは、苦楽を共にしてきた相方だろう。浜田がとるべき行動はどんなものか。

「性加害というのは、単なる不倫などとは性質が違うんですよね。だから、それ自体を直接イジったりネタにするのは難しいと思います。被害者がいることなので、うかつな発言をすれば二次加害につながる可能性もあるし、何か発言すること自体が今後の裁判に影響を与えることもあるかもしれない。今の段階では浜田さんも基本的には何も触れられないと思いますね

 浜田に“打つ手なし”としたら、松本のいないお笑い界が現実のものとなる。“ポスト松本”にはどんな芸人がふさわしいのか。

島田紳助さんが引退していくつかの番組が終わったとき、司会が今田耕司さん東野幸治さんに代わりました。それと同じことが起きるでしょうね。吉本の芸人が代役を務めるケースが多いでしょうし、他事務所のMCをやっているクラスの芸人が起用されることになるかもしれません。有吉弘行さん、くりぃむしちゅー、バナナマン、サンドウィッチマン、千鳥、かまいたちなどが今後のお笑い界を引っ張っていくことになるんじゃないでしょうか。松本さんが抜けた穴にピタッと誰か1人がハマるようなことはないと思います

 真相は不明でも、大物を巡る疑惑は芸能界に甚大な影響をもたらすことになった。

河西邦剛弁護士 芸能トラブルに関する法律分野から児童ポルノなどの刑事事件まで、幅広い案件を取り扱う。芸能案件の取り扱いは過去300件以上、刑事事件では年間1000件以上。メディアにも出演中
ラリー遠田 東京大学文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。お笑い評論家としてメディア出演など多方面で活動。『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数