特に今回の騒動のずっと前に、松本氏が当時のツイッターを始めた時、内容やタイミングからして、松本氏本人が直接書き込んでいるだろうと思われたことは、危険だと思っていました。有名人がSNSアカウントを持つのはもはや当然ですが、その発言がもととなって炎上騒ぎになるなど、リスクも大きいのです。
私も芸能人など著名人の方や企業などから、SNSに代表される情報発信の方法やリスクについての相談を多々お受けします。一方でSNSでの情報発信に、リスクヘッジをしていない著名人の方も少なくないようです。
例えば衆議院議員の小沢一郎氏は、自身のXで意見発信していますが、その際のアカウント名は「小沢一郎(事務所)」と表記しています。恐らく小沢氏ご自身ではなく、事務所スタッフの方が、小沢氏の許可を得て発信しているのではないかと想像します。もしそうだとしたら、これはきわめて理にかなった適切なリスク管理です。
アイドルの方なども、プロダクションではなく本人が直接書込みを発信してしまうと、そこにリスク管理のフィルターが全くかからないことで、炎上騒動が起こった例はいくらでもあります。松本氏が、騒動に関する発信をXで行ったことは、非常にまずいと思いました。
感情任せの書き込みが招く炎上
有名人に限らず、個人でも酔っ払った勢いで悪口を投稿したり、不適切行為を投稿する「バカッター行為」と呼ばれる炎上がたびたび発生します。インターネットは世界に通じるメディアなので、そこに書かれたことは勝手に世界中にばらまかれます。リスクも考えずに意見発信するのは、少なくとも芸能人や政治家など、影響力を持つ人にとって、大きなリスクであることは忘れてはならないでしょう。
そのため事務所スタッフなど、複数が関与して内容をチェックしたり、勢いで本人が感情任せの投稿をさせないようにすることなど、リスク管理が欠かせません。企業アカウントでも、感情任せで不適切な書き込みをして炎上することはよくあります。
Xは140字という限られた文字数しか書けないという特徴があり(有料版は除く)、正確な説明には限界があります。不十分な説明で、ツッコミどころをさらせば、投稿がきっかけで炎上につながるリスクは大きくなります。