自民党政治を変えるには
この問題を解決するため、自民党は政治刷新本部を立ち上げ、岸田首相は中間取りまとめ案を発表するとともに、
「派閥ありきの自民党から脱却する。派閥から“お金”と“人事”を切り離し、いわゆる派閥を解消する」
と宣言した。しかし─。
「“人間3人寄れば、2つ派閥ができる”とは、故・大平正芳元首相の言葉です(笑)。二階氏が“人は自然に集まってくる”と呟いたように、口先で派閥解消と言っても実現するようなものではないですね」
と大谷さんはバッサリ。では、どうすればお金で動く自民党政治を変えることができるのか?
「政治資金規正法をしっかり変えることです。会計責任者と議員を連座制にして、収支報告の虚偽記載や記載漏れがあったときには、議員自身も責任が問われるようにする。今回のように“会計責任者が勝手にやったこと”と、議員の責任逃れができないようにしなくてはいけません。あと、政策活動費はすべて領収書を添付し、お金の受け取り先などを明らかにすることです」
確かに議員本人の責任が問われることになれば、簡単に“悪だくみ”はできなくなる。だが、議員たちが既得権益を手放すことはできるのだろうか。
「岸田さんが本気で改革をしようと思っているなら、野党にも“この法律を通しましょう”と呼びかければいいんです。もし反対する議員や党があるなら、その人たちは改革する気がない、ということが国民に明らかになる。議員自身が自らに処分が及ぶ法律をつくれるか、でしょう」
今回の問題がどう落ち着くのか、政治家たちの“本気”が試されている。