目次
Page 1
ー 被害女性は複数回刺され、心臓に達する深い傷も
Page 2
ー 酒に酔うと“DV男”に豹変!
Page 3
ー 目立ちたがり屋だった容疑者も…

 一昨年の8月、大阪府堺市で大学生の女性をマンションから飛び降りさせ、包丁で刺して殺害した罪に問われている山本巧次郎被告(24)に対し、検察は懲役20年を求刑した。

 事件の内容は極めて凄惨なものだった。被告は元交際相手で大学生の大田夏瑚さん(当時20歳)の両足などを包丁で刺し、4階のベランダから飛び降りさせた。さらに路上で倒れていた大田さんの胸を複数回刺して殺害したのだ。

『週刊女性PRIME』は逮捕時、山本巧次郎被告の素顔を取材していた。

(以下は、2022年9月3日に配信した記事の再掲載です)

◆   ◆   ◆

「彼女に初めて会ったのは2年以上前。引っ越してきたときに“よろしくお願いします。学生です”と礼儀正しく挨拶してくれたのをよく覚えています。ひとり暮らしというので“困ったことがあったら言いなさいよ”と声をかけると、“ありがとうございます!”とにっこり笑っていました。感じのいいお嬢さんなのに、どうしてこんな目に遭わなければならないのか。まだ20歳ですよ……」

 と同じマンションの男性住人はやりきれない表情で話す。

 事件は8月26日午後10時40分ごろ発生。大阪府堺市西区にあるこのマンション脇の路上で「男が女性を刃物で刺している」と通行人から110番通報があった。

 府警西堺署の警察官が駆けつけると、若い女性が血を流して倒れており、そばにいた男が「刺した」と認めたため殺人未遂の疑いで現行犯逮捕。女性は病院に搬送されたが、死亡が確認された。

事件のあったマンション。4階から転落したとみられる(写真は編集部で一部加工)
事件のあったマンション。4階から転落したとみられる(写真は編集部で一部加工)

 男は自称大学生の山本巧次郎容疑者(23)。亡くなったのはマンション4階に住む大阪物療大学3年・大田夏瑚さん(20)だった。

 西堺署によると、山本容疑者は「交際相手だ」と話し、刺したことを認めながら「殺そうとしたかは動転していて覚えていない」などと供述。現場から刃渡り約15センチの包丁を押収した。

被害女性は複数回刺され、心臓に達する深い傷も

「被害者は胸など上半身を複数回刺され、心臓や肺に達する傷もあった。司法解剖の結果、失血死でほぼ即死状態だった。両足の複数箇所にも刺し傷や切り傷があるほか、肋骨や骨盤、右上腕骨、右ひじ部に骨折があり、転落によるものと考えられる」(捜査関係者)

 事件当夜、若い女性の「助けてー」という声やキャーキャーと叫ぶ声を聞いた近隣住民がいる。

 容疑者は取り調べに対し、

「(大田さんが4階から)飛び降りた」

 と話しているという。

「被害者が飛び降りたのか、突き落とされたのか、追い詰められたのかなど転落の経緯を調べる必要がある。部屋で何があったのか、トラブルのきっかけはまだ供述がとれていない」(前出の捜査関係者)

 同署は容疑を殺人に切り替え詳しい経緯を調べている。