今年も近づいてきた2月14日の聖バレンタインデー。日本では“女性から男性にチョコレートを贈り、思いを伝える日”として定着しているが、甘い物が苦手な人には代わるものとして、また、チョコレートにプラスする別のギフトとして候補に挙がるもののひとつが下着。ここ数年でジェンダーレス、ダイバーシティ(多様性)という価値観が認識され、美意識も変化しているメンズアンダーウェア事情について、'21年12月に登場し大きな話題となった『レースボクサー』を販売するワコール 広報の原敬寛さん、高橋優果さんに話を聞いた。
メンズオリジナルのレースが大人気商品へ
多くの人が衝撃を受けた『ワコールメン(WACOAL MEN)』が展開する『レースボクサー』。女性下着のイメージが強かったレース素材を男性向けのボクサーパンツに採用。伸度と強度をアップしたメンズオリジナルのレースを開発し、美しさと快適さを追求した商品は発売されるとすぐに売り切れる大人気商品になった。
「実は私たちもこんなに早く人気に火がつくと、予想しておりませんでした。発売当初は、男性がレース素材というものをどの程度受け入れてくださるのか、正直わからない部分もありましたので」(原さん)
認知に時間がかかるだろうという予想に反し、発売後すぐにブレイクした人気は現在も続いている。
「ありがたいことに昨年('23年)の売り上げは前年比の約2倍に推移しております。まずは、目新しさや話題性といったところから興味を持っていただき、実際に履いていただくとフィット感や通気性といった機能面の良さを感じていただける。見て、履いて驚いていただけていることがリピーターや新規のお客さまに繋がっている理由ではないかと思っています」
愛用者は20代から60代と幅広い。商品開発の際にターゲットと考えていたのは年齢ではなく“下着にも美しさを求める人”や“こだわりを持って自分で下着を選び、購入する人”だった。
「ファッションに興味のある方をターゲットに開発をさせていただいた商品。もともと『ワコールメン(WACOAL MEN)』は40代や50代のお客さまが多いのですが『レースボクサー』で20代の新規のお客さまも増えた印象ですね」(高橋さん)
ネット販売だけでなく、百貨店の店頭にも商品が並ぶことから、実物を手に取り選ぶことができるのも魅力。昨年9月には『レースブリーフ』も登場した。
「お客さまのご要望にお応えした商品になります。発売1か月ほどのデータになりますが、シーズン計画の90パーセントの売り上げとなりまして非常にいい反響をいただいております」(原さん)
気に入ったパンツを指名買いし、長く愛用する傾向が強い男性にこそ、贈り物に下着を選んで欲しいと言う。
「新しいものにトライし、今以上の体験や経験をしていただきたいですね。女性は、その日の予定や気分などによって下着を選ばれることが多いですよね。男性にも“明日は勝負の日だから『レースボクサー』をはこう”“今日は暑いからふんどしスタイルの『ふんどしNEXT』にしよう”というように楽しみながら下着を選んでいただけるようになるとうれしいです」(原さん)