このように、原作者が好意的に振り返ることができる実写化もあるというのは、原作と俳優、双方のファンにとっても喜ばしいことだろうが……。

「気になるのは、実写映画『【推しの子】』の行方です。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載されている同題漫画(原作・赤坂アカ氏、作画・横槍メンゴ氏)は、昨年TOKYO MXなどで放送されたアニメ版も、YOASOBIによる主題歌『アイドル』が大ヒットしたことでも話題に。それがAmazonと東映の共同プロジェクトで実写化され、今冬公開予定と発表されています」(スポーツ紙記者)

芸能界や実写化に「良い事ばかりを言っていません」

 1月末にはメインキャストも発表され、主人公のアクア役に抜てきされたのはロックバンド・インナージャーニーの元ドラマーで、俳優としても活躍する櫻井海音。アクアの双子の妹・ルビーは元=LOVEの齊藤なぎさ、2人の母親で“伝説のアイドル”となったアイは元乃木坂46・齋藤飛鳥が演じ、そのほか原菜乃華、茅島みずき、あの。の出演も伝えられている。

 同作の舞台は芸能界で、原作には“実写化をめぐるエピソード”も含まれている。実写版『【推しの子】』の情報解禁にあたり、原作の赤坂氏も《【推しの子】は芸能界に対して様々な言及をしている作品です。そして漫画作品の実写化についても触れています。良い事ばかりを言っていません。批判的な事も言っています》などとコメントしていた。

 さらに《キャストの皆様にも制作陣の皆様にも「本当に大丈夫ですか?」と聞きたくなる気持ちでした》《芸能界を舞台にした推しの子という作品を、漫画家の目線でなく、正に芸能界という現場で、本物の現場にいる人々が作ろうと言う気持ちはどういうものなのか そして出来上がるものはどういうものなのか 私はとても興味があります》とも述べており、ネット上の原作ファンの間でも、

《日本の芸能界を描く作品だからこそ「話題性」以上の覚悟をもって制作して欲しい》

《生半可な気持ちで実写化できない内容》

《制作側も相当な覚悟で臨んでると思いたい》

 などと言われている。

「現状では、同映画に関して《キービジュアルの時点でもうコレジャナイ感がプンプン》《なんとも言えんチープ感満載》といった否定的な書き込みが多い状態です。赤坂氏はコメントからして、“なにがなんでも実写化を成功させたい”というより、“どう制作されるのか”ということに着目している様子ですが、出演者たちは相当なプレッシャーを感じているでしょう」

 制作陣はキャストや原作者へのフォローを徹底しつつ、出版社とともに、原作に対するリスペクトを忘れずにいてほしいと願うばかりだ。