常識を知っているから狂気の振り幅が広い
長年のパートナーである小堺は関根のコメディアンとしての魅力を次のように語る。
「常識人であり、常識を知っているから狂気の振り幅が広いんだと思います。どんなムチャぶりをしても、絶対に『できない』とか『なんじゃそりゃ』とか言わないんです。必ず何かを投げ返してくれる。これは日本一だと思っています」(小堺)
仕事のときだけでなく、プライベートな場面でも全力で笑いをとりにいくという。
「とにかく笑いが大好き、面白いことが大好きで、すごい情熱です。僕の自宅玄関で全裸になって言ったセリフが『追い剥ぎに遭ったの』ですから!」(小堺)
事務所の後輩である芸人・飯尾和樹は舞台での関根が最高に面白いと言う。
「昨年、関根さんが座長の舞台『カンコンキンシアター』で、『藤岡弘、ファミリー』というコントがありました。藤岡弘、さんを演じていた関根さんが、子どもたちの言葉に感動するたびに、日本刀をスパッとひと振りして、ひと言決めゼリフ。客席は大爆笑! その後に無言で足首から下を軽~く小さく、ツ~クイクイツ~クイクイと動かすんです。この余韻芸といいますか、コース料理の大爆笑というメインディッシュ後のデザート芸、小さいカシスシャーベットとチーズケーキもしくは食後のコーヒー芸と勝手に呼んでいるんですが、これがとにかく最高にばかばかしくて面白いんです。
これぞ唯一無二のコメディアン関根勤さんの真骨頂だと思います。公演中これを見たさに、毎日、早めに行って袖で見ていました」(飯尾)
歴史人物のモノマネで好評の関根勤
最近は歴史上の人物のものまねも大ウケしている関根。
「若い人たちは、もうジャイアント馬場さんを知らないので、みんなが知っている歴史上の人物のものまねをメインに据えました。(幕末にアメリカから来航した)ペリーなんて似てるか似てないかは誰もわからないから、やったもん勝ちなんです」
その思いつきのすごさも飯尾は絶賛する。
「底知れない、計り知れないお笑いの幅の広さを持つ実力者です。関根さんの面白い発言は、その現場の流れに関係なく文字に起こしても、めちゃくちゃ面白い。だから、大喜利も超最高級です。妄想力のすごさも芸能界ナンバーワンじゃないでしょうか。だって見たことも当然会ったこともない歴史上の人物、ペリー、フレミング、ナイチンゲールなどのものまねをするんですよ。
スタジオ、ロケ、舞台上、取材など、仕事現場で面白さにつなげる材料がないときでも、サッと切り替えて、今そのときにある材料で大爆笑を生むズバ抜けた笑いの適応力。共演させていただいているときはいつも鳥肌が立ってます。もし関根さんが料理の道に進んでいたら、ミシュランの覆面調査員も腰を抜かすぐらい三ツ星を取りまくっていたでしょう」(飯尾)