癒してくれる孫の存在
ペットロスを癒してくれたのも孫の存在だった。
「ゴールデンレトリバーを飼っていましたが、14歳になるちょっと前で亡くなったんです。寿命ですし、覚悟はしていたのですが、喪失感が大きくてね。犬と散歩していた道を歩いていると、透明な犬が僕の横を一緒に歩いているように感じて、いつも泣きながら歩いていました。でも犬が亡くなってから3か月後に初孫が誕生したので、孫に癒されて、ペットロス症候群が軽く済んだと思います」
孫からは『ドゥドゥ』と呼ばれている関根。幼い麻里を全力で笑わせてきたように、今は孫を笑わせることに必死だ。
「『最近、ドゥドゥは面白くなくなったね』って言われて(笑)。『それは君の頭が成長したからだよ』と伝えましたが、絶対笑わせてやるぞと思いました。まずは外堀から埋めていこうと考え、孫の送り迎えのときに友達を笑わせて、『あなたのおじいちゃん、すごいね!』と言わせるんです。すると孫が『やっぱりドゥドゥは面白いんだ』と思うでしょ。孫たちがミュージカルの話をしてたら、ミュージカルのまねをしたりして頑張っています」
過去にベスト・ファーザー賞を受賞した関根が次に狙っているのは「ベスト・グランドファーザー賞」だという。
「新しい賞がつくられたら僕が初代で受賞したいですね。高橋英樹さんという強力なライバルに負けたくないです」
70歳になっても若々しい理由
70歳になっても若々しい関根は、もともと酒も飲まず、タバコも吸わず、健康には気をつけてきた。それは生活習慣病のオンパレードだった父親を見てきたことも関係している。
「親父はいわゆるメタボ体形でしたが、明治生まれで戦時中の食糧難を経験しているので『貫禄がある』なんて言われて痩せようとしなかったんです。それで52歳のときに脳出血で一度倒れて、高血圧や心臓病など生活習慣病を患っていました。親父が倒れたとき、僕はまだ9歳でしたが、健康について勉強するようになりました。
お酒は飲めない体質ですが、太りすぎないよう食べすぎには注意しています。野菜はあまり好きじゃない代わりに青汁を飲んでいます。年をとると腸の動きが悪くなって便秘ぎみになるので、食物繊維が豊富なキウイは毎日食べています。豆腐や納豆、オリーブオイルなど身体にいいといわれるものも意識してとるようにしています」
運動は歩くことを意識しており、50歳から14年間は犬を飼っていたので朝晩1時間の散歩。週に1度はゴルフをしているので、1日に2万歩は歩くという。
「ゴルフは僕にとって精神衛生上もいいんです。映画や舞台を見ていると、いつの間にかプロの目線で見ていて、仕事のことを考えてしまう。でも、ゴルフはパターを外しても、『アマチュアだから』と笑っていられるんです。歩くだけなので年をとってもできるのがいいですよね」
食生活や運動に気を使い、「自分は健康」と思っていた関根だったが、62歳のときにテレビ番組がきっかけで重大な病気が見つかった。