佳子さまが締めくくった言葉

1月22日、「聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」に出席した佳子さま。手話でスピーチする姿はおなじみに
1月22日、「聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」に出席した佳子さま。手話でスピーチする姿はおなじみに
【写真】学生時代の佳子さま、割れた腹筋が見える衣装でダンスを踊ることも

「聴こえないこと、聴こえにくいことに対する社会全体の理解がさらに深まり、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらが当たり前になることを願うとともに、この催しが皆様にとって大切な思い出になることを願い、私の挨拶といたします」

 最後に佳子さまは、このように締めくくった。

 2005(平成17)年11月15日、秋篠宮さまの妹で、佳子さまの叔母にあたる紀宮清子内親王(当時)が、黒田慶樹さんと結婚した。佳子さまは小さいころ、「ねえね」と呼んで清子さんを慕っていた。翌'06(平成18)年11月、秋篠宮さまの誕生日会見に同席した紀子さまは清子さんを近くで見て育った佳子さまについて次のように語っている。当時、佳子さまは学習院初等科6年生だった。

「これから先のことについては、娘たちがさまざまな経験をする中で次第に社会から何を期待されているかを感じ、求められているものに応えることができるようになってくれればと願っています。娘たちは、内親王としての紀宮さまが結婚されるまでのお姿を近くで見ておりました。紀宮さまが一つひとつのお仕事を大切に丁寧にされていたことを学びながら、娘たちが少しずつ、担う役割に対して理解を深めてくれればと思っております」

 歴代の内親王はその時代、その時代で国民に深く寄り添ってきた。佳子さまもまた、内親王時代の黒田清子さんに学びながら、「令和」にふさわしい新しいタイプの内親王として活躍されることだろう。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など