NHKの朝ドラ事情
SNSの普及により、新人女優の発掘が難しくなったのも原因だそう。
「昔、『君の名は』(1991年)でヒロインを務めた鈴木京香さんが“私にとっては学校でした”とおっしゃっていたように、新人を発掘して1年間を通して朝ドラと事務所でその女優を育てていくという土壌があったんです。でも、今は福岡にいたころの橋本環奈さんのように、一般の人が発掘し、SNSで“1000年に1人の逸材”といわれて話題となり、あっという間に人気者になってしまう。
近年、ほぼ無名でヒロインに抜擢されたのは『あまちゃん』(2013年)の能年玲奈(現・のん)さんくらいじゃないでしょうか。局にとっては、フレッシュなヒロインの原石が見つけづらい時代ですし、労働環境の変化もあり、育てる余裕もないんだと思います」
往年の朝ドラファンとしては、新人女優がヒロインをきっかけに芸能界に羽ばたいていくという姿を再び見てみたいもの。今後も人気女優の起用は続くのだろうか。
「今田さんは歴代最多の3365人の応募の中から選ばれていますから。もはやヒロインオーディションは神々の戦い(笑)。そういった中で、最近は清原果耶さんが『あさが来た』(2015年)や『なつぞら』を経て『おかえりモネ』(2021年)で主演を務めたように、朝ドラ出演をステップにヒロインになるケースが増えているんです。
NHKも視聴者の反響を試しているのかなって感じもしますし、これからはそういった流れが続いていくのではと思います」