皇族は原則として公的な存在

 皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は次のように語る。

「皇族にも“私”があっていいと思いますが、皇族は原則として公的な存在であり、その経済基盤も公費によって賄われています。そうした立場上、自己の私的な願望や欲望があっても、まずは公的な立場や役割を踏まえる必要があるでしょう。“私”の面だけ追求すれば、身勝手と捉えられかねません」

 一方で、愛子さまは少しでも人々や社会の役に立つことができればとのお気持ちから今春から日本赤十字社への就職を決断された。これには、紀子さまも想定外の影響が。

「本心では海外留学にもご興味があったと思います。そんな愛子さまが“公”を優先し、就職を選択されたことで、秋篠宮家の方針が際立つ結果に。今後、悠仁さまも自分の希望した大学で私的欲求を満たす研究ではなく、国民が納得する進学先を選ばざるを得ない状況になるかもしれません」

 国民が納得するにはまず説明が不可欠だと小田部教授は言う。

悠仁さまはどこに進学して何を学びたいのか、いつもご両親の言葉で伝えられ、周囲の支援で作品などが作られているように感じられてしまいますし、ご本人の意思や言葉として伝わるものが弱いように思えます。トンボが好きだからどうしたいのか、具体的な将来設計をご自身の言葉で語っていただきたいです」

 “トンボ愛”が封印される日が訪れるのだろうか─。

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代史を専門とし、『天皇家の帝王学』など著書多数