“ここで噛んでくれたら”

 芸人の頑張りが、バラエティー番組の隆盛を支えた昭和の時代。バラエティーのあり方が変わった今、当時をこう振り返る。

「キツかったけど、現場はめちゃくちゃ楽しかったですよ。あんなこと二度とやりたくないというロケもあるけど、いい経験になったとも思います。だから今はもうああいうことができないんだと思うと、ちょっと寂しい気持ちもあって。

 今はバラエティーも和やかで、動物と絡んでも“可愛いね”なんてロケが多くなりました。でもちらっと“ここで噛んでくれたらおいしいのにな、ちょっと引っかいてくれないかな”なんて思っちゃう自分がいる(笑)。そういう気持ちは60歳になった今も、やっぱり持ち続けていますよね」

お笑い界で一世を風靡した、松尾伴内含むたけし軍団の面々。今では考えられないネタを、当時は視聴者も受け入れていた
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一世を風靡した!1986年放送ドラマ

『男女7人夏物語』は最高視聴率31.7%をたたき出す大ヒットに。ほかにもドラマ『不適切にもほどがある!』阿部サダヲ演じる小川市郎が話題にした『毎度お騒がせします』(TBS系)は、下ネタとともに男女とも下着姿や半裸の入浴シーンが当たり前。
 また、神奈川県警横浜港警察署捜査課の刑事コンビ、タカこと鷹山敏樹(舘ひろし)とユージこと大下勇次(柴田恭兵)の破天荒な活躍を描いたドラマ、『あぶない刑事』(日本テレビ系)も国民的な人気に。今年の5月には映画『帰ってきた あぶない刑事』が封切られる。

誰もが知るアレも1986年に発売!

 1986年当時、900万台が普及していたといわれるファミコン黄金期の中、誕生したのが『ドラゴンクエスト』。漫画家の鳥山明デザインのキャラでも話題に。現在ドラクエは、80を超えるタイトルが発売されており、累計販売本数は8800万本を超える人気ぶりだ。
 富士フイルムが世界初のレンズ付きフィルム『写ルンです』を発売したのも1986年。まだカメラが高級品だった時代に、使い切りの手軽さで大ヒット。現在、若者を中心にレトロ感がウケて再流行している。


取材・文/小野寺悦子