5月からは『虹のかけら 〜もうひとりのジュディ』。'18年、戸田の還暦祝いとして三谷幸喜が作・脚本・演出を手がけたひとり舞台の再演で、なんと6月にはニューヨーク・カーネギー・ワイル・リサイタルホールでの公演も決定している。
三谷幸喜との出会い
「 “カーネギー”って言うとみんな“うわっ!”となるけど、小ホールですから。でも、楽屋口は大ホールと一緒なの(笑)。実はコロナ禍前にその話は持ち上がっていたけど、コロナで立ち消えになったと思っていたんですね。でも“そろそろどうですか?”と連絡をいただきまして。だから、ウソのような本当の話で。あのうるさくてアクティブな街でやれる喜びもあるし、長いこと頑張ってきた自分へのご褒美だなと思っています」
「今、三谷さんに関わる作品に出ている方はみんな、三谷さんが直接“この人とやりたい”とお声がけをされて成立してるものばかりだと思うんですね」
戸田が劇団(薔薇座)に所属していた若きころ、三谷は公演をよく見に来る戸田のファンだった。
「スタッフからそう聞き、“楽屋にどうですか?”とお誘いしても“いいです”といらっしゃらない。でも、ひょっとして“いつかは三谷さんの舞台に呼ばれるかもしれない”という淡い期待はしていました。でも、お声がけをいただいたのはテレビドラマ。やったことがなかったので“自信がない”と丁重にお断りしました」
しかし、とある劇場で三谷とバッタリ会ってしまう。
「“お断りの理由は何ですか? 戸田さんのことをずっと拝見してきた僕が書くので、なんら心配はいりません”と。そんなふうに言ってもらって。自信はなかったけどやるべきかなと思いました」
そのドラマとは『総理と呼ばないで』('97年)。当時の戸田は39歳。その後すぐ、三谷の初監督映画『ラヂオの時間』('97年)へのオファーも。
「以来、私はドラマの仕事が続いて。舞台も三谷さんに呼んでいただけるようになって。もう26、27年前の話ですね、これ(笑)。ただ40歳で何か新しいところに飛び込むのはなかなかの勇気がいりました。あのころ、声の仕事でご飯もちゃんと食べられていたし、不足なことは何もなかったから。でも腹をくくった瞬間があったから、今、私はこういう仕事をやらせていただけているんだと思います」
『20世紀号に乗って』
3/12〜31(東京・東急シアターオーブ)。4/5〜10(大阪・オリックス劇場)
https://www.musical-onthe20th.jp/
『虹のかけら〜もうひとりのジュディ』
【プレビュー公演】5/31〜6/6(東京・銀座 博品館劇場)。以降、埼玉、新潟、愛知、大阪
【ニューヨーク公演】6/25、27(Weill Recital Hall at Carnegie Hall)
【凱旋公演】7/6、7(大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール)以降、埼玉、三重、東京 https://nijinokakera.jp/