ワカメは作者の幼少期にそっくり!?
気になるのはワカメのモデルなのだが、いったい誰なのだろうか。
「町子は生前、ワカメのモデルについて雑誌などで何度か質問を受けているのですが、はっきりとは答えていないんです。身近にいた女の子たちのいろいろなしぐさや、格好などを参考にしたかもしれません。ですが特定のモデルについて、直接本人が言及したものは残っていないんです」
作品で舞台になっている時代、町にはワカメのような格好の女の子が普通だった、と長澤さんはこう続ける。
「私もその時代を直接見たわけではありませんが(笑)、戦前や戦後の雑誌や新聞を見ると、ワカメのようなスカートが短い子はたくさんいたようです。あと、町子の幼いころもワカメにそっくりの髪形をしていました。町子が自分の幼少期を描いた絵がありますが、本当にワカメそっくりなんです。ですから自分自身を含めた、あの時代にいた女の子の姿なのかなと思います」
この企画展には、いつも以上に家族連れの来館者が目立つ、と長澤さん。中にはおしゃべりができるようになったばかりの、2~3歳の子どもがポスターを見て「わかめちゃん」と喜んでいる姿があったという。
「企画展では、『わかめちゃん』が掲載された実際の雑誌を展示しています。その原画も一緒に見ることができます」
“磯野家のアイドル”として、みんなに愛されてきたワカメの、知られざる魅力を感じることができるかも!?
※企画展『わかめちゃん』は2024年3月24日に終了しました。