仕事がなかった時期、勇気のいった決断
明律大学女子部の受験に父(岡部たかし)は賛成するも、母(石田ゆり子)は“地獄の道”だと許さない。地獄かもしれないけど、やりたい気持ちのままに突き進んだ自身の経験を尋ねると、
「女優業だと思います。早くから、オーディションにたくさん受かっていたわけでもないので」
ドラマ『女王の教室』('05年)などに出演する子役だったが、大人になっていく中で演技を続けるかどうかの選択を迫られたときがあったという。
「ちょうどお仕事がなかったときで。そして、続ける決断をしてからもなかったし(笑)。そんな中で、飛び込むというか、やり続けることは意外と勇気はいりましたね」
今や、主演でも脇でも独自の存在感で輝く、オファーの殺到する女優に。
5月には30歳を迎える。今後はどんな女優像を描いているのだろう?
「もっとどっしりしたいと、すごく思います。まだ、どこかピョンピョンしているところがあるので(笑)。もうちょっと、みんなが頼れる存在というか、委ねたり、頼ったりしてもらえる女性であり、役者でありたいなとは思います」
自分の言葉で自分の心を話し、撮影用のミモザの花束には大喜びしてくれる。そんな素直な快活さは、きっと毎朝、テレビ画面からもあふれ出る──。
“虎に翼”&“鬼に金棒”は?
“虎に翼”は中国の法家・韓非子の言葉で“鬼に金棒”と同様に“強いうえに、さらに強さが加わる”の意。これがあったら最強というものは?
「一時的に記憶をなくす力ですね。リハーサルをへて、当日に段取り、テスト。そして本番という流れを何回戦かやるんですね。すると、自分の中ですごく大切にしたい鮮度が落ちてしまう。ただ、相手に向けてちゃんと出すものは頑張って出したい。
だから、一瞬の記憶を消せたら、お芝居の鮮度が保てるのかな、と。ただ、それを得たところで最強ではないんですけどね(笑)」