日常の気になる疑問を解決!視覚障害者が使う杖が白色なのはなぜ?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。
知って楽しい!おもしろ雑学
Q.視覚障害者が使う杖が白色なのはなぜ?
A.道路などまわりの景観に溶け込まず見やすいからで、法律で色も定められています。(サービス介助士インストラクター 冨樫正義さん)
視力に障害のある人が日常的に使う杖(つえ)は「白杖(はくじょう)」と呼ばれ、杖の先を路面にすべらせたり、点字ブロックの位置で進行方向を確認する補助具だ。
白杖はその名のとおり白色をしているが、どうして白色なのだろうか。
「道路などの周囲の色に溶け込みにくく、ほかの歩行者や車などからわかりやすい色だからです」
と教えてくれたのは、高齢者や障害者のサポートをするサービス介助士のインストラクターとして活躍する、冨樫正義さんだ。
「白杖は1921年にイギリス人により発明されました。当時のイギリスでは、自動車が普及しはじめ道路も舗装されるように。
それまで視覚に障害のある人は、一般的な木目などの杖を使っていたそうですが、車から見ると目立ちにくい。そこで、道路のグレー色と反対色で目立つ白色に杖を塗ったそうです」(冨樫さん、以下同)
日本では1960年に施行された道路交通法のなかで、白杖について記載されている。
「目が見えない人や弱視の人は、道路を通行するときに法令で定められている杖の携帯や盲導犬を連れる義務があるという内容。
法令では、白色か黄色の杖を使用するよう決められています。海外から伝わったものが白色で、日本でも周囲の景色に溶け込みにくいという理由で、現代まで白色が採用されています」
ちなみに、日本ではさらに注意を促すために一部が赤色に塗られていたり、夜間に車のライトが当たるとわかりやすくなるよう反射テープが貼られた白杖も使用されている。