“地球ゴージャス”(主宰=岸谷五朗・寺脇康文)の三十周年記念公演『儚き光のラプソディ』に風間俊介が出演する。
今の自分にしかできないこと
「地球ゴージャスさんの舞台に初めて出させていただいたのは、20歳のときの『クラウディア』(2004年)。そのとき“次、10年後な”って(岸谷)五朗さんが冗談めかして言っていて。そしたら、本当に10年後『クザリアーナの翼』(2014年)で声をかけていただいて。
そのときも“また10年後だな”と笑っていて。“もっと早く呼んでくれてもいいんですよ?”って言ったけど、また10年がたって今作のお話をいただいて。“あの時の約束だ。本当にすごい!”って、まず思いました」
“逃げたい”と思っていたところに出現した扉。くぐってみると、同じ経緯で7人が集まった。生きる時代も場所も異なる面々が会話を重ねていく中で、関係性は微妙に、そして確実に変化していく……。
「『クラウディア』のとき、五朗さんの40歳の誕生日をカンパニーで祝っているんですよ。あの時、僕が見ていた五朗さんはそれはそれは大きくて、偉大で。同じ40歳になった今、すごく感慨深いのと同時に“自分、大丈夫か?”って思います。でも、人にはそれぞれの時間があるので、僕なりの40歳を出していけたら」
とはいえ、そのビジュアルはデビューのころからほぼ変わらないように見える。
「10年前、15年前の僕の写真が出てきても、全然いつのものかわからない(笑)。でも、やはり年は取っていて。少し前に『クラウディア』を見る機会があったんですが“若っ!”って思いました。そして“今やったら全然違うだろうな”とも」
過去の経験を糧に、役者としては一歩ずつ進んでいる。だが、そんな成長のすべてを美談にする気はないという。
「成長しちゃったからできなくなることも実はあって。だからいつだって“あの時にしかできないこと”なんですよね」